原文:Introduction paper to H.264/MPEG-4 AVC including
the Fidelity Range
Extension. (PDF )
※スウェーデン、 Luleå University of Technology、Dr. Peter Parne氏の
講義ガイダンスの模様。 )
2.1.3. 人間の認識に基づいた量子化スケーリ
ングマトリクス
FRExtでは、MPEG-2の大黒柱だった機能を追加した。すなわち、人間の認識に基づいた量子化スケーリングマトリクス(perceptual-
based quantization scaling
matrices)である。エンコーダは、各トランスフォーム・ブロックサイズごとに、そして、イントラ/インター予測では個別に、カスタマイズされたス
ケーリング因数を指定出来る。これはデコーダが逆量子化スケーリングに使うものだ。これにより、人間の視覚認識システムの欠陥(様々なタイプがある)に
従って、量子化の忠実度をチューンできる。
一般的には、この方法でmean-squared error
(*恐らく全て
の値を等価に測定する方式という程の意味*) やPSNRに現れる客観的な忠実度は向上しない。しかし主観的な忠実度は向上す
る。これはより重要な基準だ。
量子化スケーリングマトリクスのデフォルト値は規格上に定義されている。エンコーダはこれに置き換わる値をコデックに送り込んでシークエンスやピクチャ
レベルでこの値を変更できる。
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■メモ
・太陽の中の黒点は見えにくい。 ー> 高輝度の中の細かいディテイルは省略しても画質劣化がバレにくい。
・闇夜のカラスは見えにくい。 ー> 低輝度の中の細かいディテイルは省略しても画質劣化がバレにくい。
従って、レート
制限がある場合、バットマンのよう
に暗闇の多い素材では低輝度成分を細かく区分したカスタム量子化マトリクスを用意すると、画質が良いと感じる事ができる=ビットをより有効に使える。
CPU的には「いわれた通りやりますけどぉ~、素材への忠実度は下がりますけどぉ~」てな感じだろう。
シークエンスはムービー全体。ピクチャはコマ単位。くらいに思ってもよさそう。
MEncoder -x264encopts では、cqm 、cqm4iy 、cqm4ic 、cqm4py 、cqm4pc 、cqm8iy 、cqm8py 。
cqmで出来合いのカスタムマトリクスを使う以外はちょっと手が出しにくい。妄想的には1stパスで輝度や彩度の統計を取り、そこからカスタム量子化マ
トリクスを自動生成する仕組みがあっても良さげでは
ある。GIFの「カラーインデックス」みたいなわけにはいきませんかそうですか。
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