基本的な資料は以下の三つ。
意見募集中案件詳細(案件番号185000284)より。
A.「
文化審議会著作権分科会私的録音録画小委員会中間整理」|PDF|全161ページ
パブコメ対象となる「中間整理の本編」
B.
私的録音録画小委員会中間整理の概要|PDF|全10ページ
本編の論点がおおざっぱに整理してある。本編第1章が1ページで、あとは第7章。
C.
私的録音録画小委員会中間整理の概要(参考編)|PDF|全5ページ
本編のうち、参考資料的な箇所の要約。
その他の資料。
D. 平成18年1月-文化審議会著作権分科会 法制問題小委員会 報告書|
HTML|
PDF - 全278ページ
文化審議会著作権分科会には別に法制問題小委員会というものがあるが、課せられたタスクから見て、私録小委の上位に当たると思われる。
平成18年1月に法制問題小委員会が出した報告書は、HTMLで公開されている。
「
第2節 私的録音録画補償金の見直しについて」の「3 検討結果」より抜粋。
・現時点で(*iPodなどの*)内蔵型機器の指定を行うことは必ずしも適切ではない
と思料する。今年以降の私的録音・録画の検討において,補償金制度について抜本的に検討を行う中でその検討結果を踏まえ適切に検討すべきであると考える。
・(*HDなどの*)汎用機器等については,以下のような理由から,補償金の対象とすべきでないとする意見が多数であった。
・録音や録画を行わない購入者からも強制的に一律に課金することになり,不適切な制度
となる。また,補償金返還制度も機能しづらい。
・課金対象を無制限に拡大することにつながる。
・実態として,他人の著作物の録音・録画が利用の相当割合を占めるとは考えにくい。
・現行の補償金制度の問題点を増幅させる結果を招く。
・(*政令による個別指定方式を取る*)現行制度では2つの問題があると指摘される。
1点目は,技術を指定する現行制度は,指定までの時間がかかり過ぎて権利者の補償に欠けることである。2点目は,技術を指定する現行制度は,私的録音録画
補償金を支払う消費者には理解できず,制度への理解を妨げる一因ともなっていることである。
・しかし,法的安定性,明確性の観点から,現行の制度の下では,現行の方式を変更すべ
きではない。
・ただし,機器等の個別指定が技術革新の速度に対応できないという意見や,指定手続を機動的かつ透明性の高いものにすることを前提に,機器等の指定を省令
又は告示に委任することも検討すべきとの意見もあった。補償金制度の見直しの際に,併せて検討するべきである。
E. 著作権法の条文(法庫.com)|HTML
ど素人が読んでどうなると言うものでも無いが一応。やたら言及されてるし。
A. 本編のもくじ
A~Dをざっと眺めたところ、A. 本編にもくじが無いので簡単なものを作ってみた。
はじめに(P1)
第1章 私的録音録画問題に関する今までの経緯等について (P3)
第1節 著作権法第30条の適用範囲の変遷について(P3)
1 旧著作権法(明治32年~)
2 私的使用のための複製(第30条)の制定(現行法制定時(昭和45年))
3 公衆向けに設置された自動複製機器を用いた私的複製の除外(昭和59年) 3
公衆向けに設置された自動複製機器を用いた私的複製の除外(昭和59年)(P4)
4 技術的保護手段の回避による私的複製の除外(平成11年)
第2節 私的録音録画補償金制度の制定経緯について (P5)
1 著作権審議会第5小委員会(録音・録画関係)(昭和52年~56年)
2 著作権問題に関する懇談会(昭和57~62年)
3 著作権審議会第10小委員会(私的録音・録画関係)(昭和62~平成3年) (P6)
4 私的録音録画補償金制度の導入(平成4年著作権法改正)(P7)
第3節 文化審議会著作権分科会における検討とその結果について (P8)
- 資料Dのまとめ。
1 背景
2 検討結果(文化審議会著作権分科会報告書(平成18年1月))
第2章 私的録音録画の現状について(P11)
第1節 私的録音の現状について
1 デジタル録音機器の家庭における保有状況
2 デジタル録音機器の種類(P12)
3 デジタル録音の経験と頻度 (P14)
4 デジタル録音の態様(P15)
(1)デジタル録音の利点
(2)デジタル録音の理由(P16)
(3)デジタル録音の音源(P18)
5 デジタル録音の規模 (P19)
第2節 私的録画の現状について(P20)
1 デジタル録画機器等の普及状況
(1)デジタル録画機器等の家庭における保有状況
(2)デジタル録画媒体の利用状況
2 デジタル録画の経験と頻度(P25)
3 デジタル録画の態様(P26)
(1)デジタル録画の理由
(2)デジタル録画の録画源(P28)
4 デジタル録画の回数の推移(P29)
第3章 私的録音録画補償金制度の現状について (P30)
第1節 対象機器・記録媒体の範囲及び決定方法について
1 著作権法上の定義(第30条第2項)
2 著作権法施行令の規定(第1条及び第1条の2)
3 具体的機器及び記録媒体
第2節 補償金の支払義務者について (P33)
1 支払義務者(第30条第2項)
2 支払の特例及び協力義務者(第104条の4)
3 返還制度(第104条の4第2項)
第3節 補償金の額の決定方法について (P34)
1 補償金の額の決定方法の仕組み(第104条の6)
(1)意見聴取義務(同条第3項)
(2)文化審議会への諮問(同条第5項)
2 補償金の額
第4節 指定管理団体について(P36)
1 文化庁長官による団体の指定(第104条の2、第104条の3)
2 指定管理団体による補償金を受ける権利の行使(第104条の2)
3 補償金の徴収及び分配(P37)
(1)補償金関係業務の執行に関する規程(第104条の7)
(2)補償金の徴収
(3)分配割合
第5節 共通目的事業(第104条の8、施行令第57条の6) について(P39)
1 共通目的事業の趣旨
2 事業の内容等(第104条の8第1項)
3 共通目的事業への支出額(第104条の8第1項、施行令第57条の6)
第4章 著作権保護技術の現状と当該技術を活用したビジネスの現状について (P41)
第1節 著作権保護技術について (P41)
第2節 著作権保護技術の種類と特徴について(P42)
1 フラグ検出型
2 暗号技術利用型
第3節 著作権保護技術を活用したビジネスの動向について (P45)
1 音楽パッケージビジネス(P45)
(1)音楽CDに関する著作権保護技術
(2)音楽パッケージビジネスの現状
(3)次世代オーディオに関する著作権保護技術
2 音楽配信ビジネス(P48)
(1)音楽配信に関する著作権保護技術
(2)音楽配信ビジネスの現状
3 映像パッケージビジネス(P51)
(1)映像パッケージに関する著作権保護技術
(2)映像パッケージビジネスの現状
4 映像配信ビジネス(P53)
(1)映像配信に関する著作権保護技術
(2)映像配信ビジネスの現状
5 地上デジタル放送(P55)
(1)「コピーワンス」ルール
(2)「コピーワンス」ルールの見直し
a 経緯
b 中間答申の内容
6 有料放送ビジネス (P58)
第5章 違法サイトからの私的録音録画の現状について(P59)
第1節 ファイル交換ソフトを利用した私的録音録画の現状について(P59)
1 調査方法
2 調査結果の概要
(1)ファイル交換ソフトの利用率・利用者数
(2)ダウンロードされたファイル数(P62)
(3)ジャンル別のダウンロード数 (P63)
◯1 音楽ファイル
◯2 映像ファイル(P67)
(4)利用者の意識(P69)
a ファイル交換ソフトの認知状況
b ファイル交換ソフトの利用を止めた理由
第2節 違法な携帯電話向け音楽配信からの私的録音の現状について (P71)
1 調査方法
「違法な携帯電話向け音楽配信に関するユーザー利用実態調査」は、(社)
日本レコード協会が、平成18年(2006年)11月3日から11月8日にかけて、携帯電話ユーザーを対象として、モバイルアンケートによって行ったもの
である(有効回答者数:1,036人)。
2 調査結果の概要(P71)
(1)違法サイトの認知率・利用率
違法サイトの認知率は、全体で約74%であり、多くの携帯電話利用者が違法サイトの存
在を知っていることが分かる。なお、若年層ほど認知率が高い傾向がある。
また、利用率としては、「よく利用している」(約11.2%)と「たまに利用している」(約24.3%)をあわせて、全体の約35.5%の人が違法サイト
を利用している。なお、若年層ほど利用率が高い。
(2)違法サイトへの音楽ファイルのアップロード経験率(P72)
違法サイトへの音楽ファイルのアップロード経験者は、全体では約17.7%である。な
お、12才から15才の経験率(約33.0%)が最も高い。
(3)違法サイトからのダウンロード(P73)
a 着うた
違法着うたダウンロード数は、全体では平均で月2.75曲である。なお、若年層ほどダ
ウンロード数が多い。
b 着うたフル
違法着うたフルのダウンロード数は、全体では平均で月1.42曲である。特に、12才
から15才のダウンロード数(2.45曲)が最も多い。
(4)違法音楽ファイルの推定ダウンロード数(P75)
第3節 違法サイトに対する権利者団体等の取組状況について (P76)
1 動画投稿サイト
2 パソコン向け違法配信
3 携帯電話向け違法配信
4 ファイル交換ソフト
第6章 外国における私的複製の取扱いと私的録音録画補償金制度の現状について(P77)
第1節 ヨーロッパ連合(EU) (P78)
1 2001年のEU理事会指令
2 欧州司法裁判所への提訴
3 EU理事会指令2001公表後のEUの動向
第2節 ドイツ(P80)
1 沿革
2 私的複製の取り扱い
3 補償金制度の対象
4 支払義務者
5 対象機器・記録媒体の範囲
6 補償金額の決定方法
7 報酬の徴収・分配方法
8 補償金の返還制度
9 共通目的事業
第3節 フランス(P83)
1 沿革
2 私的複製の取り扱い
3 補償金制度の対象
4 支払義務者
5 対象機器・記録媒体の範囲
6 補償金額の決定方法
7 報酬の徴収・分配方法
8 補償金の返還制度
9 共通目的事業
第4節 イギリス(P86)
1 沿革
2 私的複製の取り扱いと補償金制度への対応
3 EU理事会指令2001への対応
第5節 アメリカ合衆国(P87)
1 沿革
2 私的複製の取り扱い
3 補償金制度の対象
4 支払義務者
5 対象機器・記録媒体の範囲
6 補償金額の決定方法
7 報酬の徴収・分配方法
8 補償金の返還制度
9 共通目的事業
第6節 その他の国(P90)
1 スペイン
2 オランダ
3 オーストリア
4 カナダ
第7節 世界知的所有権機関(WIPO) (P95)
1 ベルヌ条約との関係
2 補償金制度の対象外とされるべきもの
3 補償金制度について
4 著作権保護技術と補償金制度との関係
第7章 検討結果(P97)
第1節 私的録音録画問題の検討にあたっての基本的視点について(P97)
1
現行の私的録音録画補償金制度は長い間の議論を経て、国際的な動向も考慮しながら、関係者の合意の上に設けられたものであるが時代の変化等にあわせて見直
しを行うこと
2 文化審議会著作権分科会報告書(平成18年1月)で示された課題に留意すること
- 資料Dのこと。
3 私的録音録画問題を巡る時代の変化等にあわせて、次のような基本的視点を踏まえる
4 検討の手順
第2節 著作権法第30条の適用範囲の見直しについて(P100)
1 利用形態ごとの私的録音録画や契約の実態
(1)利用形態の分類
◯1 私的録音
◯2 私的録画
(2)私的録音録画や契約の実態(P100)
◯1
私的録音録画の実態から権利者に著しい経済的不利益を与えているのではないか等との指摘があった利用形態
a 違法録音録画物や違法サイトからの私的録音録画
b 他人から借りた音楽CDからの私的録音
◯2 利用契約の実態から私的録音録画の対価が既に徴収されているのではないかとの指摘があった利用形態
a 適法配信事業者から入手した著作物等の録音物・録画物からの私的録音録画
b レンタル店から借りた音楽CDからの私的録音
c 適法放送のうち有料放送からの録画
2 第30条の適用範囲から除外することが適当と考えられる利用形態(P103)
(1)権利者に著しい経済的不利益を生じさせ、著作物等の通常の利用を妨げる利用形態
◯1 権利者の経済的利益に重大な影響がある利用形態と第30条の適用範囲の見直し
◯2 検討結果(P104)
a 違法録音録画物、違法サイトからの私的録音録画
i 第30条の適用範囲からの除外
ii 第30条の適用範囲から除外する場合の条件
b 他人から借りた音楽CDからの私的録音
(2)音楽・映像等のビジネスモデルの現状から契約により私的録音録画の対価が既に徴収されている又はその可能性がある利用形態(契約モデルによる解決)
(P106)
◯1
著作権保護技術の普及やビジネスモデルの新たな展開と第30条の適用範囲の見直し
◯2 検討結果(P108)
a 適法配信事業者から入手した著作物等の録音録画物からの私的録音録画
i 第30条の適用範囲からの除外
ii 第30条の適用範囲から除外する場合の条件
b レンタル店から借りた音楽CDからの私的録音、適法放送のうち有料放送からの私的録画
第3節 補償の必要性について
1 権利者が被る経済的不利益
(1)補償金制度導入時の権利者が被る経済的不利益に関する考え方
(2)権利者が被る経済的不利益に関する再整理
2 著作権保護技術と権利者が被る経済的不利益の関係
(1)現行制度について
(2)著作権法上の技術的保護手段における権利者の意思と第30条の範囲内の録音録画との関係
(3)著作権保護技術の範囲内の録音録画と権利者が被る経済的不利益の関係
3 補償の必要性の有無
(1)経済的不利益に対する利用形態ごとの評価
(2)経済的不利益に対する全体的な評価
(3)権利者の受忍限度と補償の必要性
4 著作権保護技術により補償の必要性がなくなる場合の試案
第4節 補償措置の方法について(P123)
1 補償金制度による対応
2 権利者と録音源・録画源提供者との契約による対応
第5節 私的録音録画補償金制度のあり方について(P126)
1 対象機器・記録媒体の範囲
(1)現行制度の問題点
◯1 現行制度による対象機器の範囲
a 分離型専用機器
b 附属機能の除外
c 用途への着目
◯2 対象記録媒体について
(2)見直しの要点
◯1 基本的考え方
◯2 機器等の類型ごとの考え方
2 対象機器・記録媒体の決定方法
(1)現行制度の問題点
(2)見直しの要点
◯1 政令指定方式の見直し
◯2 特定の方法
3 補償金の支払義務者
(1)現行制度の問題点
(2)見直しの要点
4 補償金額の決定方法
(1)現行制度の問題点
(2)見直しの要点
5 私的録音録画補償金管理協会
(1)現行制度の問題点
(2)見直しの要点
6 共通目的事業のあり方
(1)現行制度の問題点
(2)見直しの要点
7 補償金制度の広報のあり方
(1)現行制度の問題点
(2)見直しの要点
参考資料
1 各国の私的録音録画補償金制度(P143)
2 ベータマックス事件の概要(P147)
3 主要な諸外国の私的録音録画補償金制度に関する規定 (邦訳及び原文) (P150)
4 文化審議会著作権分科会私的録音録画小委員会委員名簿(平成19年9月現在) (P158)
第1章~第6章までが経緯と現状のまとめ。検討結果(というか整理)は第7章だ。
気になる箇所のメモを取りながらB.を読み、C.やググるさんなどで補間しながらA.に落とし込んでゆけば早いような気がする。
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