linux由来の動画再生/エンコードツール。オープンソース・フリー、コマンドライン。Macではターミナル(BSD互換サービス)、Winでは
linux互換環境下(Cygwinなど)で動作。ffmpeg、
VLCとともにlinuxにおけるマルチメディアの基盤となっている。
Firefox/Mozilla系のプラグインとしても動作するようだ。
ライセンス形態はGPL。やや古いが
GPL非互換のソースコードを含んでいるとの指摘もあり、公式にビルド済み
バイナリを提供しているパッケージ管理システムは多く無い模様。また、エンコード関連の常として特許リスクがつきまとう。
公式サイトはソースコードのみの配布に留まり、推奨入手方法は『コマンドライン版を最新のソースコードからビルドして使う』だ。GCCではビルド時に
CPU毎に最適化オプションを指定できるが、それもconfigureスクリプトに任せて弄るなとしている。
ビルドに関しては依存関係にあるライブラリが多岐に渡るため、気軽には手を出しにくい。linux/win向けには各CPUに最適化した『野良ビ
ルド(非公式ビルド)』が短い間隔で配布されている。Mac OSX向けとしては、
ffmpegXや
D-Vision
3などのGUIラッパーから抽出して使う方法があるが、これらは常にやや古い。
MEncoderは基本的にavi作成に特化した作りになっている。xvid+mp3.avi作成に於いては無敵とも言えるが、.mp4の作成は事実上
使い物にならず(2006夏現在)、一旦rawvideo.264に吐き出してmp4boxで固定fpsの.mp4に変換する必要がある。この場合
MEncoderが備えるA/V Sync
機能は働かないようだ。Playerとしても、一般的な視聴目的ならGUI付きのビルド済みバイナリを配布している
VLCの方が向いている。
これらを圧してMac OSX上でMEncoderをビルドするメリットは以下の通り。
- 充実したフィルタ(インターレース解除、デノイズ、その他)
- 24fps素材で無敵のpullupや
微調整の効くhqdn3dを
筆頭に多彩なフィルタが揃っている。WinのAviSynthには及ばないと思われるが、mcdeint(動き補償デインターレース)など、新しいフィル
タも控えている。
- 最新のコデック(x264、SNOW、その他)
- MPlayer/MEncoderは、映像・音声ライブラリの開発に軸足を置くffmpegと共存関係にあり、MPlayer/MEncoder
のソースコードを落とすと最新版のlibavcodec, libavformatが付いて来る(サーバーも同居)。またx264はリビジョンが頻繁に更
新されるが、MEncoderはその全てに同時に追随している。x264の『リリース』はMEncoder同梱の形を取る公算も高い。winではAviSynth
経由でx264cliを使うのが一般的だが、オープンソースでは単一のCPUやOSに縛られる事を嫌う文化があるからだ。
- man、ドキュメントの充実
- ffmpegやx264cliに比べると、MPlayer/MEncoderのmanやドキュメント類は異常に充実してい
る。決して優しくはないが、初心者向けのまとまった文書として存在している事が重要。得るものは大きい。
Mac OSXで動作するエンコード環境としては、質・量ともに望み得る最善に近い。
外部リンク
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