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記事番号:261

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明日はビックサイト - クマデジタルさん

「だめにうす」経由「家電メーカーの"絶対防 衛圏"

微妙に誤解されている点がある。ここ:

「絶対防衛圏を作りたいメーカーが非関税障壁を推進。実務機関(ARIB/B-CAS)をそれに使う。」

 基本的に勝手な仮説というか、自分の「見込み」なので、ご不快だったかもしれません。冷静なご指摘に感謝します。

 以下、自分の「見込み」に沿った線で異論をつけさせて頂きますが、こうゆうのに「事実」なんてないですし、自分の見えてない部分やコトバの足りな い部分もあるでしょうから、別のお立場から見たご意見歓迎です。

 長いので先に2行でまとめると:
  1. 客がカネ持ってない、客がアタマ悪い、は商売としてマズいです。
  2. 身近な人を喜ばせる事ができないヒトが海外のヒトを喜ばせる事ができる可能性は、低いです。

◇◆◇

デジタル家電の日 本市場なんて底が見えてるわけだよ。格差社会っていうのもあるしね、通常買い支えるはずのデジタル家電好きな若者が、マトモな給料貰って ない上に今後少子化。金を持っている団塊世代は、デジタル家電が難しすぎて手を出さない

イ)若者が、マトモな給料貰って ない上に今後少子化

  • その人件費を切ってるのはメーカー自身です。これは少子化も加速します。
  • 「同一労働・同一賃金ルール抜き」という外部不経済つき。
    • これは不健全なだけでなく、形式的な倫理では擁護困難です(長期的には新型の労働運動として政治化します)。

 自分で自分の顧客(国内市場の購買力)を減らしている状況です。
 ただし、このことは製造業ひとりの責に帰すべきではなく、受け皿産業の立ち上がりが不十分なほうが問題です。産業構造そのものの転換が遅れているわけで す。この転換が進むと"日本のモノ作り"は更なる変革を余儀なくされます。例えば最終商品を完全に捨てて、intelやフリースケールの方向に進むなど。 あるいは船井電機のような「組み立て業の司令部」に徹するなど。

 これらはいずれも「総合家電」の解体が必要です。"絶対防衛圏"は この解体を避ける上で有効な手段です。

 近目で見ると経済政策(含む国策捜査)にビジョンが欠落している事と、資本と経営の分離 が不完全である事。この二点の手当が必要です。
 遠目で見ると、完全な新産業の創出は、明治維新ぶりです。
  お手本モデルは、ここ20年ばかりの北米の他に、中韓台印の経済政策、江戸時代の各藩の財政改革(てゆうか商人資本、商品作物、インター"藩"経済の興 隆)。このへんの事例研究・要素抽出・政策反映・なかでも一般常識化に成功するかどうかが、カギとなります。

ロ)団塊世代は、デジタル家電が 難しすぎて手を出さない

  • 客にわかるものをつくるのが商売です。
  • この努力が弱いからAppleごときの家電進出を許し、サムスンごときの 携帯に負けた。
  • 日本メーカーが弱いのは、商品企画機能あたりでしょうか。
  • 能力とか国民性とかではなくて、産業構造のドコカにボトルネックがあると考えています。

 新技術が導入されるときはいつでも平衡を取り戻そうとする人間的反応があるものです。こ こをカバーするものをハイテクに対して「ハイタッチ」と言うそうですが、この「ハイタッチ」 がなければ技術は拒絶されます。ハイテクであればあるほど一層「ハイタッチ」が必要となります(ジョン・ネイスビッ ツ、『メガトレンド』など)。

 「タッチ」の語感は解りませんが、「ヒューマンタッチ」とか「おもてな しのココロ」とか、そんなカンジだと思います。

 日経あたりの「ハイテクハイテク日本はやっぱりモノ作り」に脳を汚染されると、ハイ・ タッチも知識集約型産業に不可欠な要素だ というのがボヤけてきます。もともと掴みにくくて精神論になりがちな部分ですが、客を見てればわかるようにも思えます。この点、Apple Storeを顧客とのコミュニケーション・チャンネルとして使い、流通や修理サービスまで一貫して自社で囲いこむAppleは要警戒S+です。

  団塊世代に関しては、彼らは日本最初の"消費者"です。過去ずっとライフスタイルを不可逆的に変えてきましたし、カネもあれば数も多いです。高齢化社会に お ける消費行動を決定的に、不可逆的に変えるポテンシャルを秘めている事はご存知と思います。そこに向けた商品チューニングを試行する場合、日本の会社の右 に 出るものは無いハズです。

ハ)デジタル家電の日本市場なんて底 が見えてる

 イ・ロに基づき、この判断には賛同できません。メーカー自身の無策に負うところが大きい と考えます。
 エリクソンと統合してケータイの国際市場に足場を維持しているソニーという大例外がありながら「垂直統合ビジネスモデルが悪い」という考えが幅を効かせ ているのは、興味深い事です。

で、日本のメーカーが注力しているのが、海外市場。メーカーは天下り団体と結託して障壁をこしらえているほど 暇ではないし、そもそも国内の小さなパイでは 話にならん。そんな暇あったら、欧州や中国でサムソン品質に満足できない富裕層に 製品売ってこいと。まぁいまはそういうミッションになっている。これは概 ねどのメーカーも同じで、逆に世界の富裕層に売れないメーカーは規模縮小は避けられないと思われ。

メーカーは天下り団体と結託して障壁 をこしらえているほど暇ではないし

 これは暇の有無に関わらず、大メーカー内部に戦後一貫して存在する日常業務と考えています。1970(高度成 長期終わり)くらいまではすごい低コストで抜群の機動性を発揮する産業政策実行マシンだったハズです。

 沢山ある天下り団体をインフォーマルな・事実上の行政機構と見立てれば、大企業が自腹で支えてくれるので政府 の維持費が安く済む、という考え方があります。支える大企業に とっちゃ不透明な税金ですし、出向社員にしてみりゃ"租・・調"として差し出されるわけですからたまったもんでは無いでしょう。そもそも民主制としてこういうシカケ はマズいんですけども、おかげ で日本は先進国では例外的な"安価な政府"で済んでいるそうです(すいませんソース失念です)。

  上級公務員(キャリア)のがっぽりもデカイですが、中堅公務員(ノンキャリア)の退職後の働き口としての要素もデカイです。あの人たち特定分野の法令とか 知識とか人脈とか官僚機構を動かすツボとか神の領域ですし。んでナニカ案件があると叩き上げが出向者(なんだかんだ言ってメーカーもそれなりの切れ者と専 門家 を出す)集めて下ごしらえしてからキャリアにココの調整お願いって頼んで電話させます(見方によってはイヤと言えない状況を作ってから話を持って行くとも 言えます)。キャリアの電話をとるのは最高でも同期。ほとんどの 場合は後輩。ハナシはやいです。
 このマシンに「復興するのだ」という大義が乗っかっている場合、ノンキャリが机並べてる出向者と"下ごしらえ"をする段階で"民意の近 似値"が出ます。だけでなく非現実的な"衆愚的暴走"も避けられます。
 これを支えるコストを関連メーカー(特定分野の利害関係者)みんなで出し合うってのは、アリかナシかでいうと、アリだと思います。日本全体としてリーズ ナブル。異様に高い国民の貯蓄性向も、大企業の株の持ち合いも、異様に低い製造業の営業利益率も、全体としてみれば妥当です。非民主的だろうが、天下りが がっぽり持ってこうが差し引きではプラスとなります。
 大義があり、結果が伴う限りは。

 要するにこれ発展途上国時代の開発独裁体制です。中心に居るのが独裁者ではなく「みんなでしあわせになろーよ」ってキモチと「"和を以て尊しと為 す"」だっただけで。

  「復興するのだ」って大義はもうありませんから、維持するのは問題山積なのですが、構造のほうはまだ残ってます。もともと外郭 団体って正規の役所じゃなくて業界の"自主的な"団体ですから、水面下では企業間の主導権争いがあるものですし、義が外れればそれが表面化します。"民意 の近似値"も予測精度がボケます。そこで"和を以て尊しと為す"が強く出ると、内輪でだけカドの立たない方向性になり がちです。ですから、"天下り団体 と結託して障壁をこしらえているほど暇ではないし"というのは、ほぼメーカーの人たちの実感に近いと思います。
 しかしそれでも、この構造は今でもきっちり存在し機能しています。 いろんな団体が山手線の内側にみっちり。この〜仮にインナーサークルと呼びますが〜に全面非協力の前歴を持つ会社は、自分の知る限りではホンダとソニーが あります。

 実は自分も"絶対防衛圏"をメーカーが "共同謀議" 的に主導した、とは思っていません。たんに、内輪でだけカドの立たない方向性なんとなくまとまっただ けだと思っています。しかしながら、この構造は"民意の近似値"の予測精度がヤバいレベルに達しています。コピワンを歓迎する消費者は居ないでしょう。
 そして、B-CASもARIBも運用次第で立派な 参入障壁として使えます。したがって、メーカーに"結果責任"または"不作為責任"を 負わせる形であの表現を採りました。

 おそらくは、参加したメーカーも放送局もだれ一人全面的に満足はしてないし、主導的にやったという自覚などまったく持ってないハズです。おそら く、"戦犯"などどこにも居らず、自分の論法を不当と感じる方も多いでしょう。実 際なんの証拠もありません。しかし地デジのニュースを拾っている間中、ずっと昭和史系のヨミモノに似たもやもや感を振り切る事ができなかったので、敢えて 戦前に擬した表現を採りました。ここは"ヨミ"です。瑣末な現象の説明ばかりで、全体を俯瞰した情報に妥当と思えるものが非常に少ないところが似ていま す。「コピワンは絶対悪史観」に偏るリスクを考えて冒頭に『フィクションです』と入れました。

 余談ながら、"空気"や"雰囲気"で連携できるのは、外側からみれば陰謀や結託にも見えますが、伝統や歴史のある民族のお家芸だと思ってます。日 本の場合は腹芸とか以心伝心とかいいますけど。一個洒落を考えましたのでご笑覧下さい(ホ ントに洒落です。ホンキにしないでください)。

国内の小さなパイでは 話にならん

日本人は日本製品なんか買わないで結構という解釈が可能です。時局柄ご注意を。

  1. 話にならないならば、B-CAS/ARIBからイチヌケタをやる会社が出てこないのは不可解です。HDレコーダの売り上げがガタガタという危 機の中で行われたコピワン見直し議論が、全国民に機器の買い替えを求める方向で妥結したのも興味深い事です。
  2. また、日本の家電競争力は旺盛な国内需要と、世界一品質に厳しい消費者だ!…と、かつては説明されていま した。これが事実であれば、国内軽視は製品の信頼性低下に直結します。海外に国産"信仰"はありません。
  3. さらに、もしも大手が "概ねどのメーカーも同じ" 海外最重視戦略なら、国内市場では無名メーカーが逆 張りの下克上狙いに出ます。

 "絶対防衛圏"は上記三点の対策として有効に機能し ます。

欧州や中国でサムソン品質に満足でき ない富裕層

 マスプロダクションで最も儲かるのはそこそこの層にそこそこの価格で売る事。同時にその 「そこそこの層」を育成してしまう事。これ自体は20世紀初頭にヘンリー・フォードが証明して以来、変わっていません。マーケティングの手法が細かくなっ ただけで す。T型フォードに満足できない富裕層だけを相手にしていた高級車メーカーは、今やフォードかGMの"ブランド"に名を残すのみです。

 現在では富裕層に高級品を売って声望を高め、徐々に価格を下げて行く事を「ブランド力」 と言いますが、ひとくちに富裕層と言っても、その中にもアーリーアダプタ(オピニオンリーダ)とフォロワーがいます。富裕層のオピニオンリーダというの は、最も価格性能比に 厳しい連中です。富裕層のフォロワーは「なんでもええからいっちゃん高いヤツもってコイや!」ただのカモです。

 日本の自動車やカメラがやった事は逆です。低所得・中産階級から価格性能比を武器に順次 制圧していきました。日本が北米でレクサスやアキュラなどの高級車ブランドに乗り込んだのは、たしか90年代も遅くなってからです。それまで幅広い層に支 持されていたビッグネームが富裕層への特化を志向するというのは、過去資産の食いつぶしが始まったサインです。

 さらに、品質とブランド力は厳密にはベツモノです。国内では全く実感が持てませんが、国 際的にはサムスンとその他のブランドイメージに、もはや日本人が思うほどの差はないと見ています。ケータイの国際市場 で、技術では勝っているのにシェアで負けたというのは、日本メーカーの考える「品質・性能」と、消費者の求める「品質・性能」に、もはや 話にならないほどの大きな差が出ている事を示しています。垂直統合は原因の一つではあるかも知れませんが、リストのトップにおくべきも のではありません。

 "絶対防衛圏"はこうした無能構造の延命装置として も機能します。

そういえば今日の夜のニュースで、キッコーマンとか資生堂が海外進出で過去最高売り上げを叩きだしたニュースやってたな。どの会 社も海外に活路か。

 キッコーマンも資生堂も国内市場を軽視せず、盤石のブランドイメージをキープしています。
 海外において醤油は「日本食」には不可欠なものですし、資生堂は日本の「ソフトパワー」が健在である限りはブランドイメージをかさ上げできます。ケータ イで味噌をつけ、「パラダイス鎖国」で不信感のついた国内電機と同列視すべきではありません。

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▶コメント(-1)

  1. Artane.: 示唆に富んでいますね, 2007年05月20日(日), URL

    補足の前の本編の時から思っていたのですが、同感です。
    最初にプロの開発でやったときに品管の精神を叩き込まれてからスピンアウトしてハードとソフト両方の開発関係で業界渡り鳥になってる身なのですが、
    最近の日本の製品はローエンドからハイエンドまで品質管理に気を遣って設計されている物が本当に少ないです。

    はっきりいってしまうと、これはAppleやSonyの製品に顕著に出ているけど、大概のメーカにも共通していると思うんですが、スペックの高さや派手な機能を競争しつつ、会社のブランドイメージで鎬を削っている感じで、日本製品が普及した理由である「普通の人がなんとか買える価格で堅実な造りで基本の出来がいいから雑に使っても頑丈なので高めだけど買っても損しない」って部分が吹き飛んでいるんですよね。

    # MacがIntelに鞍替えしたときに失望して、iPodもHDD付いていたのは先駆け的で許せるところが相当ありましたが、Nanoとかのシリコンプレーヤ中心になってからはどんがら以外は平凡過ぎると言うか、オーストラリアで起きたiPod NANOの電池爆発事故の時の対応とか抗議で爆発したiPodの中身を見て一気に失望したというか…あの手の物としては価格が高いのに、EMI対策すら祿に行っていなかったような感じだったので、すごい失望したというか、電源周りがチープな作りで「こりゃ、過充電で飛ぶ危険あるきわどい設計にしてあるな罠┐(´ー`)┌」って感じで、中国製のグリーンハウス社辺りが日本では売ってる安物と根本の部分が違わないな。って感じで。勿論、iPodの方が、音キチ的にはいい部品とかデコーダのコードを使っているのでしょうが、基礎が駄目というか…

    90年代の「価格破壊」の時以降、品質よりも原価と納期。っていう感じに日本のメーカ自体陥っていて、その頃にまずは韓国のメーカがこぞって日本の品管や生産技術の熟練工を引っこ抜いて、マスプロ商品の品質を格段に上げてしまいましたからね。
    ソフト自体も、メーカだけの責任ではないにしても、日本の製品は品質管理がおざなりすぎるし。
    仮にソフトのスペックが日韓中で同じだとしたら、日本の製品よりは韓国の製品の方が入れ物の出来がいいものが格段に多いですからね。向こうは国内生産だろうが中国生産だろうが品質と価格のバランスが取れているけど、日本の製品は機能を入れ込みすぎて高くしている割には品質がいまいちなのでバランスが悪いと言うか。

    勿論、日本メーカでも例外はあって、カシオのG'z携帯みたいに異様にハードの品質に気を遣っている物があって(去年出たCDMA 1x WIN対応機種は日立ブランドで出した普及機と共通化してる部分が多くて、ソフト品質がいまいちのようですが。手元に現物無いのでハードについては評価を見送っていますが…)、そういう物については米韓などにも特化したモデルを出してる位で、日本製品のいい所が残ってるのもあるにはありますが(;´Д`)

    とにかく、日本のメーカは大概はいい技術者から辞めていくような現場の環境作っておいて、それが元凶で出た「高くて出来の悪い製品」が市場の中心になったがために海外製品に押されているからって、非関税障壁作ったり、DRMで囲い込んだりしたり(まぁ、このあたりはMSも似ていますけど…途中でDRMの弊害が自分の首を占めていることに気がついて、ディストリビュータが許可すればDRMフリーでも音楽を売るようになったAPPLEは先見の明がある文、かなりましではないかと思いますが)って邪道で進んでいるというのが(;´Д`)…もう、冗談抜きで韓国か台湾辺りに「日本のデジタル受信機市場に参入できないのはB-CASとARIBのせいだ!!」ってWTOに提訴やってほしいと思いますよ。

    # ハード開発上、サンプル製品に汎用でないデバイス一個採用するか検討する位でNDAとか
    # ややこしいこと抜かす半導体メーカも同じですけど。N系列の某社とかTの半導体部門とか。
    # IやSと共同開発した例の物は特別な例外として、Tは開発キット一式と一緒でないとMCUのサンプル売りませんしね(-_-;ICEやJTAG自体はレンタル屋から借りるのを条件にしてはいますが、純正環境しか認めないし…(;´Д`)

    そういう感じでしか日本のメーカを見れないのもスレた見方なんでしょうけど、今のままだと、確実に日本の大手は総倒れでしょうね。ARIBやB-CASは死にかけた人に使うモルヒネ程度なんじゃないかという気が…(;´Д`)

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