TechCrunch Japanese でも『Digg、暴徒に屈す』というタイトルで記事にしているので、両者とも言及 しているDiggのファウンダーのひとりKevin Roseのブログというのを読んでみた。全訳はmaclalalaweblogさんがいつものように丁寧に訳されているので、大意はソチラで掴んでいただ きた ひ。ユーザー参加型ソーシャルニュースサイトの Digg にとって、5月1日は大変な日だった。
誰かが HD DVD ハッキングの解読キーに関する記事を投稿したのだ。削除要請を受けた Digg のスタッフはただちにこの記事を削除した。Digg の検閲だと怒ったユーザーがすぐに再投稿、それをスタッフが削除するというイタチごっことなり、混乱に手がつけられなくなった。
(中 略)
Digg の Kevin Rose が敗北宣言を出したのは、米国西海岸時間5月1日午後9時のことだった。
(中略)
Today was an insane day. And as the founder of Digg, I just wanted to post my thoughts…
In building and shaping the site I’ve always tried to stay as hands on as possible. We’ve always given site moderation (digging/burying) power to the community. Occasionally we step in to remove stories that violate our terms of use (eg. linking to pornography, illegal downloads, racial hate sites, etc.). So today was a difficult day for us. We had to decide whether to remove stories containing a single code based on a cease and desist declaration. We had to make a call, and in our desire to avoid a scenario where Digg would be interrupted or shut down, we decided to comply and remove the stories with the code.
But now, after seeing hundreds of stories and reading thousands of comments, you’ve made it clear. You’d rather see Digg go down fighting than bow down to a bigger company. We hear you, and effective immediately we won’t delete stories or comments containing the code and will deal with whatever the consequences might be.
If we lose, then what the hell, at least we died trying.
Digg on,
Kevin
自分の印象としては、コレ敗北宣言に見えない。もちろん人それぞれですけど。そもそもDiggどころかソーシャルなんとかってのをソーシャルに使った事が ないんで見当違いのリスクはありますぐぁ。
最初の黄色『出来る限りの事を自分達で やろうとし てきた。』は、自分達のやって来た事というよりは、そういう生き方を良しとするスタンスが背景にあるように見えた。やや大げさ に飛躍すると「自由への支持」。だから次のピンク『モデレートする権限 (Power)をコミュニティに委ねて来た。』 も、なにが価値のある情報かはひとりひとりが決めるべきだ、というスタンスの現れと理解した。これに続くOccasionally以下はそうはいってもポ ルノ・違法ダウンロード・人種差別などは倫理的にもやばいし、最終的には自由を損ねてしまう。だから利用規約として明記して削除してきましたよ。という流 れというか文脈というか、に見える。思いっきり脳内補間してっけど、アメリカ人の脳内でもそういう補間が働くと思う。freedomと自由は、意味と歴史が少し違う。
だから緑の『だ から今日は、(排除命令(cease and desist declaration)を受けて記事を排除するかどうかという)難しい判断を迫られた。』 という一節は、や~今日はてぇへんだったよ~というボヤキでは無くて、Digg存続の為に、すなわち望みうる最大の自由を維持する為の判断だった と説明したいのだ。と思った。
後は大勢がそれに反対したんで削除やめますってな感じなんだけど、それはユー ザーの"造反"に”屈した”とは地味に違うように感じた。
もっぺん大げさに飛躍するとユーザーはDiggが提示した「自由・情報の価値付けを マスメディアではなくユーザーの判断に委ねる事・情報の民主化」を支持した。ように見える。次々に解除キーがDiggされたのは、それを「正当な行為」と 考えるユーザーの多さを示していると思う。だいたい違法ダウンロード情報の削除には、みん な文句言ってないわけだし。Digg ユーザーの「不当・正当」の線引きはそこにあるというわけだ。
一種の民意。一種の直接民主制。言論の自由。それが現行法(DMCA)では違法排除命令の根拠となるのなら、一種の法改正圧力。 ちっちゃな地方自治体から国のてっぺん まで、無数の「末路哀れは覚悟の前」 が徹底してんのがアメリカのソコヂカラだ*1。
最後の赤『deal
with whatever the consequences might be.』、結果がどうなろうともそれと
『deal with』。
maclalalaweblog
さんでは『受け入れる』、今日のニッパウさんでは『対処する』としておられるんだけど、dealってなんかもうちょっとプラスのイメージがあるように思
う。ポーカーとかでなんか盛り上がる方向
で使わなかったっけ?、ディーラー、取り扱う。~を処理[処置]する、対処する、取り組む、、、。
Kevinさんは、Diggが示したのは「情報の民主化」であって、ここで違法排除命令に従えばいままでの自分がしてきた事がウソになると気付い てしまった、ように読めた。脳内お花畑全開すっと 『覚悟完了!』とか『戦って戦って戦ってそして死 んで行くのがオトコなんぢゃないんですか沖田さん!』とか。ソッチ系。解除キーもろだしのタイトルとも整合する。会社のブログで顔出し で。『みんなの力をオラに分けてくれ!』とか。アメリカ人てほんまチャレンジ好きよね。
コレ、下手すっとDMCAとAACSの違憲性/不当性を正面切って問う、ベータマックス/DeCSS訴訟に続く歴史的な法廷闘争になる。
、、、と思った。
◆◇◆
おれはそういう事しないけど、レーザーディスクとか、VHSで10年買いためたおいらのコレクションはどうなるの?っていう人はままある。映像商売の上得 意だ。情報のデジタル化はそういう”アナログのかなしみ”をなんとかするチャンスなわけで。
これもやらないけど、DVD買ったは良いけどボクのLinuxでは見られませんてのがDeCSSの開発動機なわけで。これスエーデンかどっかの最高裁まで 行って勝ってる。
もちろん海賊行為や全部タダでいいぢゃないなんて積もりはないですよ。でもみ
んながコピーする機械を持っているなら、コピー業者を保護する必要性は、減る。コピー業者を保護するコピーライト(著作権)は弱めた方が、社会全体のしあ
わ
せ総量が増える。
ダイレクトに作者さんにお金を届ける途が見当たらないのは問題だけど、それを作るにも旧来のコピー業者の「法的に正しい行動」が邪魔に
なる。じんわりとそーゆー時代が進行しているのぢゃ。著作利権が戦っているのは情報の民主化とゆー歴史そのものなんだと思う。もちろん、和解交渉を有利に
もってくにはどっちも全力で戦わないといけないわけで。
GoogleはViacomが、「YouTubeは著作権を侵害して いる」として起こした$1B(10億ドル)の訴訟 に返事を出した。Googleの答えは―「上等だ。陪審裁判でとことんやろう」だった。
(中 略)
YouTubeのビジネスモデルの運命、さらに多数のウェブスタートアップ企 業の命運がこの訴訟の行方にかかっている。
*1)著作権にまつわる違法合法の議論がくだらないと思うのは、自分で考えて自分で決める事を放棄しているように見えるからだ。
主権在民なら、法律は全て国民の総意の表現でなければならない。違法合法以前に自分で考えて自分で決めて、法律がそぐわないなら法律を代えるようになん
かする。というのが民主制の基礎だと思う。
だから、改正手続きが60年間も未整備だった
日本国憲法は、戦後ずっと非民主的な状態だった。変えたくなっても変えるシカケが無いという運用は、中身がどうこう以前に欽定憲法も同然だ。『主権在民』
とは決して両立しない。同時代の各国憲法に比べれば抜群に先進的なのは確かだが、それを"不磨の大典"扱いで信仰の対象にしてしまっては仏作ってタマシイ
入れずだ。古典的護憲論は国民の「自由」を蝕む。と思う。天皇機関説が主流になった段階でほ
いほい明治憲法に追加できてたら(少なくとも大正デモクラシーの時期なら統帥権を内閣の輔弼事項に入れとくくらいはできたハズだ)、馬鹿みたいな敗戦の遥
か手前で軍部の暴走は食い止められてたんですよ。メカニカル&オートマチックに。
agehaにオリジナルなし
また、残りのケースが少なくなってくると、Bankerからの電話も増えて、客席や応援席か ら「Deal!!」のコールが壮絶になってくる。さらに、低額賞金と高額賞金の可能性が五分五分になれば相当なプ レッシャーになるため、それに打ち勝つ精神力と決断力も必要となる。