さて、気になる対応動画形式。
最大bitrate
映像
音声
Profile
最大fps
最大解像度
Profile
最大bitrate
H.264
and
protected H.264 (from iTunes Store):
5Mbps
Progressive Main (CAVLC)
24
1280x720
AAC-LC
160 Kbps
30
960x540
iTunes
Store purchased video:
未記載
未記載
未記載
640x480
未記載
320x240
MPEG-4
3 Mbps
Simple
30
720x432
AAC-LC
160 Kbps
ポイント1:Progressive Main (CAVLC) とは
Main Profile(インターレースド,CABAC非対応)
の意味と思われる。なんかまた紛らわしい言い回しだなも~。「プロ
グレッシブメイン」と人づてに聞いたら、Mainより良さそう!とか思うよねぇ?そういう
伝
聞イメージの一人歩き を狙ってませんかねこれわ。
で、Mainで1280x720。「画質」はお話にならない。まる。
Main
Profile(以下MP)はHDTV解像度では
「40MbpsなければMPEG-2の24Mbpsと同等にならない 」 と
いう豪快さんだ。主な理由は8x8DCT変換とカスタム量子化マトリクスが使えない事。HD解像度にはこの二項目を備えたHigh
Profile(以下HP)が向いている。その威力をひとことで言うと、これがなければBlu-ray陣営がH.264/AVCを採用することは無かっ
た。ちなみにSD解像度でも画質改善は大。
のみならず、Apple-H.264で作成できるMPは現実には
Baseline + B最大1枚(固定)に過ぎない。CABAC無し、適応的B挿入無し、Bの参照不可。最後のB参照を使ったものはデ
コードも不能。ひとことで言うとMPを名乗っている事自体が不思議だ。
さらにさらに、QuickTime系フロントエンドはエンコードで大量のI/IDRフ
レームを挿入する。最大キーフレーム間隔はソフトに拠るが1~5秒。MEncoder/x264cliで一般的な設定の2倍~10倍だ。これは
QuickTime
Player等でシークしたときの追従性、マウスホイールをくるくる回したときのキモチ良さが抜群という美点が
あるので必ずしもマイナスではないというかむしろ多いに気に入っているのだが(VLC/MPlayerのユーザーインタフェイスでは気が付きにくいかもし
れない)、画質 per bitという点では確実に不利。
720P@24fpsの上限5MBpsでは、BPPは
0.60 に
なる。740x480@24fpsでは2555kbpsに相当するのでそこだけ見れば画質こだわり派の方も充分に思うかもしれないが、
8x8dct抜き、カスタム量子化マトリクス抜き、さらに最大キーフレーム間隔が1~5秒と考えるとSSIM=0.98は必ずしも楽ではなかろう。原理的
にはマルチパスを重ねてstatsの精度を上げれば済むと思われるが、それモロにx264の苦手箇所&Apple-H.264の得意技だねぇ。
BPPの計算式や意味は「
bppとは 」にまとめて突っ込んであるので参考されたい。
ポイント2:MPEG-4がいまだにSimple Profile(Bフレーム非対応)
有り得ないショボさ。Clie
NX80Vだってフリーの再生ソフト入れるだけで640x480@1000kbpsのASP(アドヴァンスド・シンプル・プロファイル、通称
Divx/Xvid)を再生できる。
結論:
これで3万6千円では改造したくなるのがフツー。
余談:
このエントリのキッカケは以下の記事です。
「テレビをiPod化する」Apple TVがわが家にやってきた (4/5) (IT
Media:2007年03月28日 松尾公也さん)
また、先日にはApple
のサイ
ト で、Apple TVで再生できる動画フォーマットが公開された。詳細は以下の通り。
形式
最
高ビットレート
プロフィル/音声
最
大解像度/フレームレート
H.264およびProtected H.264フォーマット(iTunes Store)
5Mbps
プ
ログレッシブメインプロファイル/最高160KbpsのAAC-LCオーディオ
1280
×720/24fps、960×540/30fps
iTunes
Storeで購入したビデオ:320×240または640×480 MPEG-4
最高3Mbps
シ
ンプルプロファイル/最高160KbpsのAAC-LCオーディオ
720
×432/30fps
ビットレートは最大5Mbpsまでサポートされているということで、この場合1280×720、つまり720Pまでが再生可能というわけだ。従来
のシンプルプロファイルではなく、プログレッシブメインプロファイルが使えるというところが
大きなポイントと言えるだろう。
なんだこのプログレッシブメインというのわもしかしてあたらしいプロファイルなのくわッ?と。思った。
大きなポイントだそうだし、これわ見逃す手はないぞ!とリンクを辿ってAppleの仕様を見てみた。
Apple
TV 技術仕様 (Apple.com/jp)
ビデオ
サポート可能なビデオフォーマット
H.264およびProtected H.264フォーマット(iTunes Store):640×480、30 fps、Baseline
ProfileのLCバージョン/320×240、30 fps、最大Level
1.3のBaseline Profile/1280x720 、24
fps、Progressive Main Profile
MPEG-4:640x480、30 fps、Simple Profile
どっからどこまでがなんの区切りなのだこれわわけわかんねぇ、、、まさかそれが「仕様」なのかッ!!。
2007/06/16追記:以下の部分は資料をおもいっきし誤読してますカナブンよりもごめんなさい(コメント欄にて"i"さんにご指摘頂きました。感謝です)。
とりわけ、 "最大Level
1.3のBaseline Profile/1280x720、24
fps " とゆうのは秀逸だ。
Level
1.3の一般的なピクチャサイズはCIF、すなわち352×288 。Baseline
/ Extended / Mainの3プロファイルでのビットレートは上限768
kbps 。これは拙記事のH.264/AVC規格概要:レベル と、wikipedia
(en)のH.264/MPEG-4 AVC の両方で確認できる。720P@24fpsで768kbpsを
与えたときのBPPは0.03。720x480@24fpsの255kbpsに相当します。それをBaselineでやれとおっしゃる?はっはっは。なに
その宇宙テクノロジー。level3.1の書き間違いなら上限は
1280x720@30.0, 14 Mbit/sになりますが、それだとIT
Mediaの記事にあった5Mbpsを超えます。てゆうかApple.com/jpにはそもそもビットレートの記載が見当たらない。いくらなんでもこれはオカシイので英文にあたりました (IT
Mediaさんリンクは情報取得元に貼って下さい5分無駄にしました) 。
従来のシンプルプロファイルではなく、プログレッシブメインプロファイルが使えるというところが大きなポイントと言えるだろう。
と松尾さんは書かれてますが、MPEG-4 SPとH.264/AVC Mainの差をポイントと看做す意図を測りかねます。2007年第一四半期の現時点で比較対象がSPであることそのものを、問題視する視点が欲しいところです。
純粋な機械的性能で見た場合、Apple TVはヌルいです。
パソコン的な意味ではヌルヌルです。家電的にもBlu-ray/HD-DVDが出てるわけだし、ヌルいぜヌルいぜヌルくて死ぬぜ。です。
まぁ、iPod生態系にスゴ~く設定の楽な家庭内ストリーミング・デコーダが4万円!というのは大きなインパクトがある事ですし、既に家電事業の「競争のルール」も変わっているのは確かですけどね。でもそれはそれ、これはこれ。ショボイ部分はショボイと書いてよ。
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640×480、30 fps、Baseline ProfileのLCバージョン
320×240、30 fps、最大Level 1.3のBaseline Profile
1280x720、24 fps、Progressive Main Profile
なので、
最大Level 1.3のBaseline Profile/1280x720
の区切りは違うかなと。
どこかでフォローしていたら申し訳ないですが、ぐぐってここに直で来たので。