エンコードに手を出す以上、画質の善し悪しはわりと重要だと思う。
まぁ趣味の世界だから最終的には「感性の問題」「自分は満足」で充分なのだが、そればかりでもナニだ。
そこで画質の構成要素を素人ながら一応分解してみようとおもいます。
「視覚の個人差」を「感性の問題」に入れちゃマズいかなぁと思って。あんまり気にするのもいろいろとナニです。
1.視覚の個人差
- 視力
- 動体視力
- 色覚
- 脳の処理能力
1~3は周囲の明るさや光源の色で変化する。
1.1. 視力
自分の視力を
数値で把握していない人は稀だと思う。眼鏡などで簡単に補正できるので、多く
の人は1.0程度はキープしていると思う。
弱視 - wikipediaには「成人の場合は矯正視力が運転
免許取得の条件の一つである0.7未満の場合を弱視と判断する医師もいる」とあり、
A.A.O. - 弱視にまつわるエトセトラ -(2004年1月30日)で
は「矯正視力が0.3未満」としている。どちらも裸眼視力は問題にしていない。
ブロックノイズの有無やそれが気になる・ならないの問題に関わる。ただし、意識する必要はないと思う。
1.2. 動体視力
自分の動体視力を
数値で把握している人は
稀だろう。というよりそもそもその手法があるのか自分は知らない。
ウソかホントか知らないが一流の野球選手は飛んでるボールの縫い目が見えるというし(民明書房だったらどうしよう)、自分は通常のTV視聴(ブラウン管)
でインタレ縞が見え
る事がある。エンコード始める前は気にした事もなかったのだが、いや見えるったら見えるんだい。
幽霊の、正体見たり、枯れ尾花。と言うべきか、ブラウン管上に存在しているのだから見えてもおかしくはないと言うべきか。
鍛えればわりと簡単に向上するのだと思う。
動きのカクツきや、インタレ縞の問題に関わる。気になる・ならないの「感性」で片付ける前に一応留意した方がよいと思う。
1.3. 色覚
色覚は特に周囲の明るさや光源色の影響を受けやすい。プロはモニタにフードを付けるようだし、電球にも気を使うらしい。
その他にいわゆる色弱という指標があるが、これは数量的なものではなく単なるラベリング~弱視かそうでないか程度のもの~だ。日本人男性の約95%、女
性の99%以上は正常と言うのであまり考慮しなくても良いかとは思う。
いちおう、
色覚の仕組みと色弱者の呼称に
よると、網膜には赤・青・緑の三種の『錐体』があり、それぞれが特定の光の波長を検出する(分光感度)。赤錐体が無いとか、青錐
体の分光感度がズレてるとかで、人間の色覚はいわゆる正常を含めて5種類7タイプある。ただし、血液型に種類があるようなものでどれが正常でどれが異常と
いうものでは無いとしている。
と言う事は、正常とされる95%の中にも「赤錐体の分光感度がちょびっとズレテマス、あと少しで色弱でしたねぇ」みたいな人から三色とも基準原基みたい
な人まで、いろんな色覚を持った人がグラデーションみたいに分布してんだと思う。視力が0.3~2.0まであるように。
面倒なので手許では色調整は一切しない事にしている。
余談ながら『色の秘密(野村順一、文春文庫)』に皮膚もある程度光の有無や色に反応するとあった。健康には白い下着が一番ナノダソウデスヨ?(いやそっ
ち
へいっちゃダメだオレ)。
弄る場合は人間の肌色を軸にすると良いらしいです。
1.4. 脳の処理能力
NTT Communication Science Laboratoriesの
錯覚の解説内、
視覚領第1野によると。
- 網膜の解像度は1000×1000程度。
- それを受け取る脳細胞は100×100ほど。
- 腕をのばして見つめている爪は、10か20の画素で構成されていることになる。
CCDが100万画素で画像処理チップが1万画素のビデオカメラという事になる。
ハードウェアとしてはなかなか粗末な、、、てゆうか信じ難い。マジですか?。
ちなみに聴覚のほうも鼓膜の性能からはありえない音を聞き分ける事ができるそうだ。
上記サイトでは脳内で多数の信号に基づく統計処理が行われているのではないかとしている。
統計処理は視覚領第1野よりももっと奥深くで実行されるのだと思うが、統計というからにはパターン蓄積が豊富なほど性能があがる筈だ。このしくみを解明し
て応用すればものすごい圧縮技術ができるであろ~。頑張ってもらいたい(誰に?)。インタレ解除にこだ
わるうちに通常のTVでインタレ縞が見えるようになった経験とも符合する。逆に
統計処理である以上、この動体視力は他ではまったく役に立たないと思われる。ちぇっ。
余談ながら、
経験を重ねればモザイク除去装置ぬきでも見える説には一
定の科学的根拠がある
と言えよう(だからなんだよう)。