2006/07/11-PCWatch-本田雅一の「週刊モバイル通信」- PC業界がAppleに学べること国内でそれができるのはSCEと任天堂くらい、他に無いと思うんだけども。 PLAYSTATION3を「パソコンとして」見てもらう事から始めないとイケナイのが弱みだ。
「ジョブズ氏は40~50年という長期に渡る事業計画を持っており、現在のAppleはその計画に沿って順調に運営されている」 と福田氏は話す。
~
ジョブズとその側近たちは「汎用コンピュータを使う時代から、コンピュータを応用して特定の目的に使う専用機が主流になっていく」と読み、現在へと続く製 品企画の基本的なポリシーになっているという。
~
しかし最初からコストをかけてプラットフォームを作り、それに継続的に改良を加えていくという手法ならば、Appleなり の魅力を引き出すことができ る。フルモデルチェンジのサイクルを長く取り、その代わりにデザインや改良に対して多くの 資源を投入するという手法は、現在のコストとスペック最優先で作 られるPCとは対極的だ。
区分 | 用途 | 解像度 |
---|---|---|
モ バイル・エンコード | iPod・ PSP・携帯機器向け | 最大
320x240 (7万6千1百pixel) |
カジュアル・エンコード | TVキャプ チャ・DVDバックアップ | 最大720x480 (34万5千6百pixel) |
ハイカジュ アル・エンコード | 同上 rawYUVやhuffyuvなどの中間生成物を使う |
同上 |
ハ イデフ・エンコード | ハイビジョ ン・次世代DVD解像度 | 1280x720 (92万1千6百pixel) 1920x1080 (207万3千6百pixel) |
来年4月、すべての携帯電話にGPS(日経パソコンオンライン:2006年 10月11日)根拠は総務省の報道資料っぽい。
※太字オレ
GPSモジュールを内蔵した携帯電話が、来春以降一挙に広がりを見せそうだ。きっかけ は、第3世代(3G)携帯電話へのGPS搭載の義務付けだ。
総務省は事業用電気通信設備規則を2006 年1月に改正・公布し、2007年4月に施行する。改正の大きな柱の一つが、携帯電話からの緊急通報機能を充実させる、通 称「日本版e911」だ。施行後に発売される3G端末は、原則としてGPSモジュールの内蔵が義務付けられる。 対応端末から110番/118 番/119番へ緊急通報した際に、通報者の位置情報をGPSで測位し、警察・消防・海上保安本部に自動通知する仕組みを構築する。
事業用電気通信設備規則の一部を改正する省令案等に係る情報通信審議会答申及び意見募集の結果(2005 年12月20日)これより新しいのは見当たらなかったので、その後速やかに省令等は改正されたっぽい。
※太字オレ
(1) 情報通信審議会に諮問した省令案
○事業用電気通信設備規則(昭和60年郵政省令第30号)の一部を改正する省令案(PDF)
電気通信事業者の電気通信設備のうち音声伝送役務を提供するものについて、緊急通報を扱う場合には、次の機能を有することを規定します。
1) 緊急通報の発信場所を管轄する警察機関、海上保安機関又は消防機関へ接続する機能(中略)
2) 緊急通報を発信した端末の電気通信番号及び位置情報を通知する機能
3) 通話中の回線を保留する機能
情報通信審議会の答申及び皆様から寄せられた御意見を踏まえ、速やかに省令等の改正を行うこととします。(施行日は、平成19年4月1日を予定しておりま す。)
2.から。太字オレ。現実問題として、レコード会社が説得される見込みは薄い。
・結論
レ コード会社は欧州の企業が多い(注:欧州は消費者保護や独占禁止や打倒米国企業者の関係でDRMへの圧力が強い)。アップル に他社へのFairPlayライセンス供与を求めるよりレコード会社を説得してくれ。
4.から。太字オレこの攻撃を、ある程度弱める必要を感じているという事だ。たとえば、こういう論評が出るだけでも緩和は緩和だ。
欧州の一部国家では、FairPlay を開放して、他社製品との互換性を確保するようよう求める声が上がっている。
3.から
iTunesが他の音楽プレーヤーでは働かない、という事 は、欧州で攻撃の的になっています。そこでは、Apple社の制限に「anticompetitive(相互運用性が無い)」というレッテルが貼られてい るのです。
過去8ヶ月の間に、ドイツ、フランス、ノルウェー、オランダといった国の消費者の権利保護グループが Apple社を告訴しています。Jobs氏は彼のエッセイの中で、4社の最も大きい音楽会社のうち3社は欧州の会社なのだ、と皮肉っています。
2. から
(DRM反対論は) 興味のない一般には「頭のおかしい何でもフリー論者のたわごと」くらいにしか思われていないだけに、ジョブズという人物から平易な言葉で語られたというだ けでも意義があります。
もとよりAppleの宣伝は誇大広告 だが、最近のTVCMは酷い。Winコケにする他にアイデンティティねーのか?。
真にMac
OSXのセキュリティが優れているのなら、ミッション・クリティカルな分野が雪崩をうって採用する。
Winがひどいかどうかは知ら
ないが、少なくともAppleはMS同等のセキュリティコスト(金額、人員、時間)はかけていない。
現状、Winよりセキュリティが問題になりにくいのはシェアのおかげであって、これに関してAppleの能力が優れているという事は、無い。
彼らはこれから経験値を積み上げる必要があるのだが、セキュリティ対策というのは地味な仕事だ。
できてて当然の事だし、そのために
客が喜んでお金を払うという性質のものでもない。
もともとAppleが短いサイクルで新版OSを発
売するのは、そうしなければ開発コストが調達できないからでもある。
いきおい、開発は人目を引く派手な新機能が中心となりがちで、
話題になりにくい地味で複雑な部分は後回しにされがちだ。
(VISTAの新機能はほとんど実装済みなのは良いが、Finderの表
示遅延はいつになったら改善するんだ?)
セキュリティの為に3年も次のOSを延期するような芸当は不可能だ。
今のところ大きな問題が起きていないのは事実だが、シェアが上がれば必ず起きる。
あの宣伝につられるようなダメな部類のドザが乗り
換えて来るのは、迷惑だ。
◆◇◆
といって別にセキュリティに詳しいわけではないので、スラドに出たthe
Month of Apple Bugs (MOAB)のまとめ(1, 2)を読んでも良く解らない。
詳しそうな人の評価を
読んでみると、
#2 Mac信者よ、Macを捨てよ(狐の王国:2007年02月14日)というレベルであるらしい。
いくらWindowsがひどいったって、こんな大量に未修正の脆弱性が出たりしないっての。
~
俺もWindows がセキュアだとは微塵も思ってない。だが脆弱性対応はしっかりやっている。それは叩かれた歴史があるからだろう。
Appleはユー ザーに絶賛されても叩かれることは無い。ユーザーの体質が信者体質だからだ。
~
ならばMac信者よ、Macを捨てよ。Appleを叩くことこそがAppleのためだ。
そ れを潜り抜けてこそ、本当に現代的なOSを提供できる企業になれるだろう。
信者はどこの世界にも居る。Macユーザーの全てが絶賛体質でも信者体質でも無い事は2ch/新Mac板に明らかだ。
Microsoft に対する冷静な批判が存在するのは切実に羨ましいが、それは雑誌やwebの情報源が分散しているからだ。根本的な原因は水平分業と垂直統合(部材調達から 搭載アプリケーション、情報の公開・非公開まで全てAppleのコントロールが効く)というビジネスモデルの違いにある。マカーになった本田雅一さんや、 どうやらなりそうな岡田有花さんが厳しい批判記事を書こうと思ったしたとしても、言葉を丸めざるを得ない局面、というのが出て来ると思う。原因は「ユー ザーの体質」などという曖昧なものではない。十把一絡げにしないで欲しい(まぁ外からはそう見えるだろうなとは思う)。
それからAppleは"本当に現代的なOSを提供できる企業"を目指してない。
◆◇◆
端的に象徴してるのはアップル社名変更、Apple Computerから"Apple Inc"へ(engadget: 2007 年1月9日)。
自分がAppleの方向性を疑いだしたのはMac OSXに移行してからだが、「コンピュータ」として使い続けるにはなんだか息苦しいなと思っている。適当に挙げると、
だい
たいMac OSXでサードパーティ製ソフトは一度絶滅してるわけで、なにがしたいんだか不可解だったが、Intel移行のあたりでなんだか見えて来た。
『すいませんパソコンはもうヤメます。これからはAppleソフトの専用機買って下さい。』
ってのを10年くらいかけて言ってたわ
けだ。一年に一文字くらいのペースで。
移行期間を非常に長くとっているのでユーザー負担は少ないと評価する向きはあるけども、どー
だろう。自分の実感としては使いでが減ってるんだが。
手許ではMacで、しか、
扱えないファイルは極力作らないようにしていたり。
偉大なるJobs猊下はApple以外がソフトを作れないよ うにしたいご様子。セキュリティ対策としては最も安あがりだろう。
2006/07/11-PCWatch-本田雅一の「週刊モバイル通信」- PC業界がAppleに学べること
「ジョブズ氏は40~50年という長期に渡 る事業計画を持っており、現在のAppleはその計画に沿って順調に運営されている」 と福田氏は話す。
~
ジョブズとその側近たちは「汎用コンピュータを使う時代から、コンピュータを応用して特定の目的に使う専用機が主流になって いく」と読み、現在へと続く製 品企画の基本的なポリシーになっているという。
Appleはハードとソ
フトとユーザーエクスペリエンスとコンテンツ・ディストリビューションの閉鎖的な垂直統合を目指している。
ひらたく言うと、Mac
に関わる全ての支払いが直にAppleに入る世界を目指している。
図に
するとこうなる。
個人的な嫌悪感はともかく、これはこれでミモノだと思っているあたりが信
者なんだけどね。
やめといたほうがイイっすよMacは。
いまのとこ
ろはまだ辛うじて「パソコン」だし、なんだかんだ言ってOSの設定(システム環境設定)で悩む事はまず無いけども。
Apple TVの登場で「TVの横戦線」の役者は全て出揃った。
とりあえず、光ディスクに代わる映像フォーマット争いは、iPod系MP4 vs. PS3系MP4という事になりそうだ。
え?地デジ?うんスキだよフルスペック・ハイビジョンパネル。インタレ縞が見やすくて!
「パソコン・携帯デバイス・TVの横を1ファイルで使い回す」が問題なら、期待し得る最善画質はこうなる。
iPod系MP4 ( iTMS / iTunes / iPod / iPhone / Apple TV) |
PS3系MP4 ( Win / PSP / PS3 ) |
|
---|---|---|
HD | N/A | N/A |
SD | 640x480 | 720/480 |
bitrate | 1.5Mbps | 10Mbps(参考) 3Mbps@Peak4Mbps(2ch) |
Profile | H.264 Baseline Low-Complexity profile (Apple 独自) |
Main (CABAC有) |
Level | 不詳 (1.3?) |
3 (2ch) |
複数参照 | × | 3 (2ch) |
Bフレーム | × | 3 (2ch) |
SAR指定 | × | ◎ |
インターレースド | × | ◎ |
画質はPS3系が圧倒的だ。持ってないけど。ざっと符号化ツール見ればわかる。てゆうかPSPアタマおかしい。ハードディスクとTV出力端子付き出 しちゃえ!。
Apple TV専用ならVGAでももっと高度な符号化ツールが使えるが、それでもPS3系に劣る。
OS X ハッキング!第220回iPod兼Apple TVなH.264ムービーについて考える(海上忍さん - 2007/3/30)
そのApple TVが対応するH.264のスペックは、最 大 1280×720ピクセ ル / 24fps / 5MbpsというHD品質(ADCのTechnical Note TN2188 を参照)。一方でiPodが対応する最大スペックは、 640×480 / 30fps / 1.5Mbps。 (*中略)VGA品質 が最適解ということになるはずだ。
海上さんの記事では設定参考として「ムービーからMPEG-4」で1000kbpsが示されているが、上記のTN2188 を読んでみた範囲では、iPodの搭載メ モリに合わせたピークビットレート制限が重くのしかかる。ムービー全体でのbit再配分が旨くいかなければマルチパスの意味も薄い。
一方解り易さ、単純さではiPod系が圧倒的だ。持ってないけど。何しろPSP用は携帯動画変換君のini書き換えてメモステ買ってどこにどんな名前で 配置して~って感じ。agehaにオリジナル無し
追記
Apple TVハードウェアレポート(笠原一輝のユビキタス情報局)、http:
//wiki.awkwardtv.org/wiki/Hardware_Profile、http:
//wiki.awkwardtv.org/wiki/Parts、などを総合すると、 Apple
TVは「光学ドライブ抜きの完全なPCアーキテクチャ」とでも言うべきハードウェア構成のようだ。
後者は完全にゲーム機のビジネスモデルだ。AppleTVがMPEG-1/2, AVI,
wmvなどに対応すれば根底から崩れる。
したがって今後の展開は以下のようになるはずです:
自室、リビング、歩行(通勤通学)、ドライブ、人間とデジタルコンテンツ(映画音楽写真ゲーム)の接触機会すべてを自社デバイスと自社フォーマッ トで独占できるなら、WinもLinuxどころか全てのAV家電メーカーに君臨できる。デジタルコンテンツ(映画音楽写真ゲーム)の販売機会すべてを自社 で独占できるなら、全てのコンテンツホルダーがその門を叩く。
そういうの、Big Brotherって言わんか。
Engadget Japanese http://japanese.engadget.com/2007/04/02/emi-jobs-drm/成功を祈り、他社が追随する事に期待したい。
Q:違法コピー歓迎ということか?
Eric(*EMIのエリック・ニコリCEO):違う。われわれは「消費者を信用する」立場をとる。一部に は残念な行為もあるだろう。われわれの狙いは最善の音楽体験を提供することで販売を伸ばすこと。
Engadget Japanese http://japanese.engadget.com/2007/04/02/emi-jobs-drm/映画の「社会適応」は音楽より強い。製作コストが段違いなだけに既存の保護法制も手厚い。この流れが映画まで波及するかどうかはまだなんとも言い難いの だが、
Q:(ジョブズが個人筆頭株主である) ディズニーのビデオなどはDRMフリーで提供されるのか?
ジョブズ:「今日はその質問をされると思っていた」。ビデオは音楽とは違い、流通の90%がDRMフリー (CD)だったことはない。音楽と同等には考えていない。
agehaにオリジナルなんか無いって
知った場所:だめにうすさん
本記事は「P2Pとかその辺のお話」さんの記事「DRMフリーへの流れがAppleのDRMによるiPod/iTune支配を延命する? (2007年05月 18日)」を軸に当方の過去記事をマッシュアップしたフィクションです。てゆうか面白かったのでオレもオレもで便乗しました。
厚顔無恥なるパクリであり、許されざる愚行であり、オレの目に映る真実です。
どちらでも「iTMSで買ったもんはiPodでなきゃ聞けない」とか、「着うたで買ったものiPodに入れても無理!」というフシアワセが減る。 音楽産業全体がハッピー。機器メーカーもハッピー。消費者も今よりはハッピー。
Appleの選択肢は2つ。Open DRM(ex;iTMSのFair Play技術を他社に使わせてあげる)か、はたまたDRMフリーか。
望み得る最大の利益をもたらすのはどちらか、、、THINK !
構図一変、大・逆・転。
ー | ワルもん | イイもん |
---|---|---|
使用前 | デジタル・コンテンツ流通の支配者Apple | Open DRMを求める消費者と音楽業界 |
使用後 | DRMを求める音楽業界 | DRMの無いセカイを求めるApple |
追加効果
補強材料
話を持ちかけたのがジョブスさんであるにしても、決断したのはEMI自身だし発表したのはEMIの方針だしiTMSは最初の流通チャネルの一個に 過ぎない。彼が記者発表に同席するメリットは、EMIよりAppleの側にある。
AmazonとEMIの提携(07/05/17)
予見し得る範囲の未来に於いて、これでOpen DRMの道は遠のいた。
EMIという存在がある以上、DRMにこだわる会社は批判されるし、こだわればこだわるほど自分で自分の首を締める事になる。
Amazonは捨て難い。しかし、DRMを捨てるのは…というWarner、Universal、Sony
BMGの葛藤が長引けば長引くほど、iTMSがその重みを増す。
EMIは現在、4大レーベルの中でもっとも経営が苦しい存在だ。ひらたく言えば売れるアーティストをあんま抱えていない。
Appleは残り3レーベルを自社DRMの「事実上のコンテンツ流通独占」の中につなぎ止めておける。
消費者をiTMS/iTunes/iPod/AppleTV/iPhoneの中に囲い込んでおける。
スティーブ・ジョブスの公開書簡
ふつうのMacはたぶん出ない。
目を覚ませマカー、AppleがBig Brotherだ。
それでAppleの流通独占が危うくなって初めて、Open
DRMへの筋道ができる。完全DRMフリーなセカイが必要かどうかはその後で考えればいい。
もしも「ふつうのMac」が期待できるとしたら、その後だろう。
参考記事
更新履歴
【原文リンク】日本国首相官邸、知的財産推進計画2007の策定にある『団体からの意見』
第4章 コンテンツをいかした文化創造国家づくり
I.世界トップクラスのコンテンツ大国を実現する
3. ビジネス大国を実現する
(3)著作権に係る課題を解決する
◯4私的使用複製について結論を得る
私的録音・録画について抜本的に見直すとともに、補償金制度については廃止や骨組 みの見直し、他の措置の導入も含め抜本的な検討を行い、2007年度中に 一定の具体的結論を得る。その際、技術的保護手段の進展やコンテンツ流通の変化等を勘案するとともに、国際条約や国際的な動向との関連やユーザーの視点に 留意する。また、技術的保護手段との関係等を踏まえた「私的複製の範囲の明確化」、使用料と複製対価との関係整理等、著作権契約の在り方の見直し、オンラ イン配信への移行を踏まえた音楽関連産業の在り方等についての検討を進め、2006年度中に結論を得る。
(文部科学省、経済産業省)
※文部科学省、経済産業省そ
れぞれの相当箇所を色塗り。
したけど黄色しかねぇや。
P102 (4)私的使用複製について結論を得るに関する意見
[結論]
科学的且つ客観的証拠に基づかない理由に依る私的録音録画補償金制度は即時撤廃すべきである。
理
由1
そもそも、著作物の私的複製により著作権者団体は常日 頃、文化庁審議会の 場等で私的複製により権利侵害を被っている旨を主張しているが、その論には科学的且つ客観的証拠は存在していない。同一家庭内に置いて、その一家族構成員 が購入した著作物と全く同一の著作物を更に2枚3枚と購入する事は非現実的事象である。当然の事ながら著作物を販売している音楽レーベルは事前に承知して いると考えるのが自然であり弁証法的観点からも帰納的である。即ち、黙示の承認があるのだから私的複製にから更に料金の徴収を図るのは二重課金にあたり著 作権者の要求は不合理である。米国ではFirst Sale Doctrineの名の下、著作物は販売した時点で「売り切り」であるとの考えが定着し且つ国際標準となっている。
理 由2
そもそも、仮に私的複製により権利侵害を被ったと主張するなら、その全ての原因は複製防止技術を備えていない著作物パッケージを製造販売しているレーベル に有る。自ら製造販売している製品の不備をハードウェア会社に対して責任転嫁するのは無責任且つ自己中心的な姿勢である。よって、もし私的複製に依り権利 侵害が行われているとの主張を継続するなら即時に複製防止措置の付いた著作物パッケージを製造販売すべきである。
理 由3
2005 年度に開催された私的録音録 画補償金制度議論を行った 文化庁審議会法制問題小委員会並びに2006年度から開始した同庁私的録音録画小委員会に て両小委員である、土肥一史氏 一橋大学教授、松田政行氏 青山学院大学教授/ 弁護士が頻繁に補償金制度存続の論理的根拠とする「国際基準」なるもので、WIPO、ベルヌ条約の基準が取り上げられるが、両名氏は事実誤認を繰り返して いる。そもそも、WIPOに加盟している184ヶ国の内、補償金制度を携帯機器に対して導入しているのは僅か11ヶ国つまり、6%に過ぎない。更に、ベル ヌ条約批准163ヶ国の内、僅か7カ国つまり4.3%しかiPod等の携帯機器に課金していない。依ってもし「国際基準」に日本が合致するのなら約95% の国がとっている「補償金制度廃止」が「国際基準」である。法律家である両名氏が意図的に著作権者団体の意向にそった事実無根の詭弁を弄するのは真摯な著 作権行政を審議すべき同場所で不適切であり、国家国民を愚弄する存在であると言わざるを得ない。上記の事実を事前に承知しながら両名氏を同委員会委員に意 図的に任命した文化 庁著作権課の責任は重大でありその結果責任を取るべきである。就中その中心的存在であった吉川晃前著作権課長、 甲野正道現著作権課 長の責任忌避は免れないと考える。
理由4
IFPI (国際レコード産業連盟)の2007年度Digital Music Reportに記載されて居る様に、iPod ユーザーは一般ネットユーザーの3倍有料コンテンツサイトから毎月コンテンツを購入している。また、同レポートで有料コンテンツサイトを理由する支持理由 50%で、これが一番多い理由である。即ち合法サイトでコンテンツ購入要因となっているのが携帯型ハードウェア機器であると明言している。よってiPod 等のハードウェア機器がユーザーの違法コンテンツを流通させるP2Pサイトへの流れを防止し有料サイト、即ちiTunes Store 等へと導いていると、レコード産業連盟の総纏め役であるIFPI(国際レコード産業連盟)が報告書で断言している。よって日本レコード協会、日本芸能実演家団体協議会、日本音楽作家団体協議会、 日本民間放送連盟が主張の拠り所にしているiPod等のハードウェア機器が権利侵害の元凶であるとする意見は事実無根である所か事実は寧ろiPodこそが 有料かつ合法的なコンテンツ流通の最強の推進役となっている事実を認識すべきである。自己撞着を生じさせている日本の著作権者団体は非を認め傲慢不遜な主 張を即時停止すべきである。著作権者団体の自己中心性こそが日本のコンテンツ流通を阻害し消費者の選択肢を狭小化させ、IT業界の生産性を棄損している主 要因である。
参 考:所管公益法人一覧-文部科学省
理 由5
アップル社のiTunesを通して販売されている楽曲は累計20億に及び昨年2006年度だけでも12億曲を販売した。一日の楽曲販売数は500万曲に及
ぶ。音楽以外にも、音楽ビデオ、TV番組、映画、オーディオブック、ゲーム、ポッドキャストを販売している。アップル社は世界最大のデジタルコンテンツ流
通企業である。iTunesからの売上から世界で最も著作権料を著作権者に納付している企業である。アップル社こそが最もコンテンツ業界に貢献している企
業の一つであると自負している。今後は、著作権者、消費者、政府、機器メーカーが共に協力しコンテンツ業界の発展へと貢献出来る事を願う。
[総 括]
文化庁著作権課に 依る一方的な行政運営には理解不能である。徒に著作権者団体の意見のみを汲取り消費者、機器メーカーの立場は無視し続けている。アップル社を私的録音録画 小委員会から閉め出し、欠席裁判で物事も決める閉鎖的な体質を持つ文化庁の典型的な隠蔽体質を良く表している。平成19年3月27日、文化審議会 著作権分科会私的録音録画小委員会にても多くの小委員会委員が補償金制度の必要性の根幹の議論提示をしたにも関わらず、作為的に「私的録音録画問題に関す る検討の進め方(案)」から削除するなど鼻から「結論ありき」の審議会運営をする著作権事務局には真摯な姿勢は微塵も感じられず、もはや公平公正な著作権 行政を運営する適切な省庁とは言い難く、速やかに著作権行政を他の省庁に移管することを強く望む。
以上
「知的財産推進計画2006(頭書)」。太字は追加。削除は打ち消 し線。で、2007版になった。
第4 章 コンテンツをいかした文化創造国家づくり
I. 世界トップクラスの コンテンツ大国を実現する
3.ビジネス大国を実現する
(3)著作権に 係る課題を解決する
◯4私的使用複製について結論を得る
私的録音・録画について抜本的に見直すとと もに、補償金制度については廃止や骨組みの見直し、他の措置の導入も含め抜本的な検討を行い、2007年度中に 一定の具体的結論を得る。その際、技術的保護手段の進展やコンテンツ流通の変化等を勘案するとともに、国際条約や国際的な動向 との関連や ユーザーの視点に 留意する。また、技術的保護手段との関係等を踏まえた「私的複製の範囲の明確化」、使用料と複製対価との関係整理等、著作権契約の在り方の見直し等 についての検討を進め、オンラ イン配信への移行を踏まえた音楽関連産業の在り方等についての検討を進め、20062007年度中に結論を得る。(文部科学省、経済産業省)
「知的財産推進計画2007」相当箇所は以下の通り。
第4章 コンテンツをいかした文化創造国家づくり「お、ええんでないかい?」と思ったのは章立て。階層 構造の変化。
I.世界最先端の コンテンツ大国を実現する
1.デジタルコンテンツの流通を促進する 法制度や契約ルー ルを整備する
(1)ビジネススキームを支える著作権 制度を作る
◯6私的録音録画補償金制度の見直しについて結論を得る
私 的録音・録画について見直すとともに、補償金制度については廃止や骨組みの見直し、他の措置の導入も含め抜本的な検討を行い、2007年度中に結論を得 る。その際、技術的保護手段の進展やコンテンツ流通の変化等を勘案するとともに、国際条約や国際的な動向との関連やユーザーの視点に留意する。また、技術 的保護手段との関係等を踏まえた「私的複製の範囲の明確化」、使用料と複製対価との関係整理等、著作権契約の在り方の見直し等についての検討を進め、 2007年度中に結論を得る。(文部科学省、経済産業省)
官僚さんの作文は、全文の変更箇所を全部リストアップした上で、ステークホルダー全部の意向とカネの流れを考えて読むものなので、これだけの字面でなにが どうとは言えません(また言っても部分最適解にしかなりません)。のでだらだらと感想。
2007/06/09追記
ということは、丹念に記事を拾ってはいないオイラとしては、激しい文言や主張は眼球でスクリーニングし て、事実関係のみ「まとめ」として、 使えば便利げです。もちろんこれ一個に脳を汚染させるのはデンジャラスでせう。自分が汚染されてるかどうかの目安はおそらく、読んだ時に「おお!オレの言 いたかった事がここにある!素晴らしい!!」と感じるかどうか。およびその強度。
自分のヒフの外から来るものは全てプロパガンダ、洗脳を意図していると見なす。「客観的に"正しい"ものなんてどこにも無い」。
おそらくはWinのヒトと思しきサイトで「PDFは敵!」とか、「PDFなのでみにくいことこの上ない」といった文言を見かけることがあるのです が、もしかしてこの点はMacって便利かもしれません。
OSXではOSにPDFの取り扱いが組み込まれています。現在ではオンラインブックマークなどが充実していますが、それ以前の数年間、手許では WebスクラップはPDFで溜め込んでいました。印刷オプションにPDF書き出しがあるので。
2007年現在のSafaiではpdfリンクを踏めばブラウザの中でそのまま表示します。手許ではFirefox/Caminoしか使っていない ので、ダウンロード&勝手にOS付属の"Preview"が表示するのを待つという一拍が入りますが、数メガもあるような巨大PDFでもない限りは、起動 も動作も「遅い」と感じる事はありません。したがって、この手のコピペ記事は特に手間では無いです。
使った事はありませんが、PDFを扱うフリーウェアもそこそこあるようです。例えばSkimでは注釈などが 埋め込めますが、これも"Preview"に遜色無い速度で動作します。唯一の例外はAdobe Reader 8(もちろんMac版)。なにをしているのかは知りませんが、たかがリーダーのくせに起動がめちゃめちゃ遅く、いっぺんで使う気をなくしました。
悲しいかなPDFのテキストを他にコピペすると化ける事があるのですが(濁点だけでひと文字になったり)これはOS付属の"TextEdit"に いったんコ ピペして、そこからさらに目的のアプリにコピペすると直ります。でもコレは自分がKompoZerやNeoOfficeなどのオープンソース系ばっか使い たが るはぐれマカーだからかもしんない(だってOS9時代の書類全部アウトなんだもんトラウマになりますってクラリスワーク スlove)。
できれば、機種依存文字~ローマ数字や、◯の中に数字が入ったもの~は勘弁して欲しいところです。PDFの中ならともかく、他にコピペすっと化け る。個人サイトはこっちで脳内変換するにしても、大企業や官公庁はちょっとなぁ。
PDFはOSを問わない文書表示フォーマットの始祖鳥みたいなものですし、アドビの手を離れてISO標準規格となる見込みでもあるます。ブラウザ毎に、OS毎に、そして時間軸上でも解釈誤差の激しい HTMLやCSSは、ぶっちゃけ時間を割いて習得するのは非効率だと思う部分があります。内容に依ってはHTMLだけで提供されている情報というのは、そ れだけで信頼に欠ける部分があると見なしています。
てなヨタはともかく、知的財産推進計画を云々するにしても、著作権の非親告罪化を云々するにしても、H.264/AVC規格を云々するにしても、 元のPDFをざっとでも舐めておいたほうが、断片的な印象操作に惑わされる確率は減殺できると思うます。
つまるところ、一方に有益な情報がPDFで公開され、もう一方に「PDFなのでみにくいことこの上ない」という需要があるのなら、それは"中間情 報流通のヒト"にとっては世論操作(洗脳戦)のチャンスだと思ってみたりみなかったり。Winでも軽いPDFビューワーがあれば入れといて損は無いと思う ますですだよ。
見りゃ解るけど黄色のとこは
連動してると思った。Webアプリケーションのプラットフォームとして、Safari。
ZFSについては特に大きくは取り上げられていない。Apple以外の古めのアプリや、それで作ったデータの移行が気にかかる。
シームレスなWin起動はまだ先のようだ。てっきりiTSでWin用ゲームを売るんではないかと思ってたんだけど、そんな目先の利益は追わずに気長に行くモヨリ。ぜってーゲーム機ビジネスも取りに来る筈。
自分がいちばん嬉しいのはMailのメモ機能。添付ファイルも付けられるし、そのままスマートメイルボックスなり、独自のフォルダなり で整理できるようだ。ToDo機能もついている。ほんでもってこれiPhoneと連携すんだよなたぶん、、、うーん。Palmざます。
参考にさせて頂いた記事
iPodのシェアは米国で80%。日本で50%だそうな。Macのシェアもぐんぐん伸びているし、iPhoneも大人気のようだ。
しかし、今のAppleがなんの会社なのか?というと適当なコトバが無い。
とりあえず「iPodの会社」でも良さそうだが、Win上ですらiPodだけというわけではない。iTunesやらiTSやらがずるずると繋がっている。「家電」ではイメージ的にOS XやiTunesのようなソフトが余るし「ソフト」と言うとハードのインパクトが曖昧になる。Apple自身が社名からComputerを外した以上は「パソコン」とは言えないし「総合ネット企業」では「道路を使う会社」並に意味が無い。
しかしどれもAppleの一側面ではある。これらがもたらす利便性を、見事にマッシュアップしている会社なのは確かだ。消滅の淵まで行ったAppleの復活はミモノだが、ここまで来るとかつてMicrosoftやIBMに向けた警戒の目を向けなければダブスタだろう。
Apple社は、10年以上にわたる超長期ビジョンに基づき、図のような"事業構造のトランスフォーメーション"を実行しているものと思われる。
最終的に目指すのは『コンテンツ流通の垂直統合』。
レッドラインは既存ハードウェアからの顧客奪取。ピンクラインは既存のコンテンツ流通からの顧客奪取。
基本戦略は既に市場に流通しているコンテンツをなんらかの形でブルーラインのどこかに取り込み、ユーザーの支持を取り付けた上で、iTunes Storeでの購買へ誘導すること。
奪取される側から見れば「ヒトのフンドシで相撲とりやがって!」と思う部分がありそうだが(特にピンクライン)、それはユーザーの責任だし、なによりコンテンツ商売するならまず客をコンテンツ漬けにしなければならない。元気の出るオクスリも初回はタダだし(と聞き及んでおります)。
これは二つの需要にウマく応えている。一つは「ネットでコンテンツを入手したい」。もう一つは「ライブラリの管理」。より重要なのは後者。ビル・ゲイツさん風に言うと " information at your fingertips " だ。
ブルーラインはラジオを作るラジオ局であり、映画館を運営する映画配給社であり、TVを作るTV局であり、ウォークマンを作るツタヤであり、ゲーム機を作るゲーム販売社である。「デジタルなら全部まとめて商売できるぜしかもパソコン事業持ってるしオレら」というのがデジタルハブ構想である。と思う。
しかしこれは未だ未完成であり盤石では無い。最低でも当面の間(そして恐らくは可能な限り永く)、Appleはブルーラインの水揚げを損ねるものを全力で排除するだろう。
例えばSongbirdやDemocracyのようなiTunes代替物。いずれも独自ライブラリを作るファイルブラウザで、iTSに繋がらない。また例えばOpen-DRM。現時点ではAppleにお金の入らない機械にiTunesへの接続を許す理由がない。将来的にiTSの売り上げが伸びればFairPlay使用料を取るカタチ(これがOpen-DRM)も有り得るが、ショバ代という事でiTunesへの接続自体に課金するほうが美味しい。EMIのようなDRM Freeはブルーラインの水揚げを損なわないが、その場合でも、野方図なコピーを抑止するために個人を特定できる情報が不可欠だ。iTSへのアクセスをiTunesに限る理由は無い。取り扱いタイトルが充実してくれば「コンテンツの卸売り業」ができる。
いずれにせよ「Macintosh」はブルーラインのコアたる販売窓口・兼・ホームサーバである事が第一義であり、その伸張とともに、今日的な意味での"パソコン"である必要性は漸減してゆくと思われる。
Appleにとって最も重要なのは「ライブラリ管理の容易さ、見たい/聞きたいものの探し易さ」。その為にはまずユーザーのライブラリの充実が必須。非合法に入手したコンテンツといえども排除しない事。おおっぴらに対応はしないまでも、ユーザーのライブラリが充実してゆけばゆくほど、ライブラリ管理の容易さ、ユーザーサイド・マルチユースのやり易さが効いてくる。
太字の二つは矛盾するが~特に動画対応フォーマットの点で~、そのへんのさじ加減が肝心なのだろう。
ここから先は『ウィンドウと作品』という分類を試用してみます。
「作品こそがカネを生むのぢゃ!」と言う場合、まずソフト・ハードの区別を捨てるべきです。お客様の為にステキな椅子を用意した映画館というのはそれはそれで感心するのですが、ウケたからといって椅子職人の為に映画館を運営するというのは、ナシです。
一部の椅子マニアの聖地となる可能性も無くはありませんけどそれもう映画館ぢゃないし。
『作品』の事を一般に「コンテンツ」と言いますが、音楽や映画やアニメやマンガやゲームを「コンテンツ」呼ばわりする作り手はいません。例えばもし、芝居を「コンテンツ」呼ばわりする大道具さんが居たら、どれほど有能だろうが使えません。ハナシ通じねぇもの。いっちゃんでぇじなトコロが。
で、もしもそういうスタンスが芝居~またはそれを提供する場~に混じっていたら、敏感に嗅ぎ分けてぷいっと横向いちゃうのが上スジの客というものです。彼らもまた作品を「コンテンツ」と呼ぶ事はありません。
コンテンツという言葉はもともとは流体力学というか、配管設計の世界から来たらしいです。石油とかコーラとかそうゆうの。「今回のコンテンツの特性は云々、従ってバルブに求められる要素は云々」みたいなカンジでしょうか。
ベンリな言葉ではあるのですが、もしも石油やコーラをあきなう人がフツーに「コンテンツ」とか言いだしたらよもまつです。
プラント設計の人が「ウチのバルブを売る為にコンテンツ・ビジネスの発展を」とか言いだしたら本業の能力を疑います。
例え流通に過ぎなくても作品提供に関わる場合、技術的なアビリティは重要ですが、メンタリティは邪魔になると言う事です。プログラマでも技術者でもない人がそれに感染しても、メインカメラをやられるだけでトクにはなりません。
なにかと言うとブンカだサクヒンだと愛を振り回すのも考えものではあるのですが、作品は作品。儲けの源に敬意を示さない商いは立ちません。
ここでは「作品と接触する機会」を『ウィンドウ』と言う事にします(てゆうかしてください)。客が「作品と接触する機会」はMacというハードではなく、iTunesという『ウィンドウ』。iPodは携帯音楽プレイヤというハードではなく『携帯ウィンドウ』。
客からみると個々のウィンドウは「作品と接触する機会」ですが、供給側からみれば『収益機会』です。iTunesにはiTSという収益機会がくっついていますし、iPodが売れればそのぶんお金が入ります(ここでもハード・ソフトという脳内ファンタジーが邪魔になります)。
本来、ウィンドウという言葉は、映画界のヒトが流通経路を選ぶ時に使うそうです。映画館、TV放送、DVD、、、、一本の映画を「どのウィンドウ」にどの順番で流すのがいっちゃん儲かるか、みたいな。ワンソース・マルチユースというヤツですね。慣れて来ると手持ちの「ライブラリ」の中からホラーだけまとめてこのウィンドウに流せば売れる!みたいなマルチユース(というか付加価値の付け方)もできるそうです。これ文庫本とかでもありますわな。「夏のナントカ」とか揃いのオビつけて平積みにして、みたいな。別に新刊でなくても映画とのタイアップでなくても、売り方(というか付加価値の付け方)はいろいろあるわけです。ライブラリさえ溜め込んであれば。
最近ではハードディスクに作品を溜め込んで「ライブラリ」を持ってるヒトが多いです。Mac(机/膝上)、iPod/iPhone(通勤通学)、AppleTV(TVの横)、とウィンドウもたくさんあります。消費者も、たくさんの作品をどう取り回すかと言う事を意識せざるを得ません。ここでは仮に「ユーザーサイド・ワンソース・マルチユース」と言います。
これがまたマウスホイールでくるくるとよく動くんだ。
…であります。
iTunesのCDDBとかタグとかマイレートとかスマートプレイリストとかなんとかシャッフルとかカバーフロウとかの機能は「ユーザーサイド・マルチユース」を「カンタン・ベンリ・キモチイイ」にしてくれます。
客にとってはMacもiTunesもiTSもiPodもiPhoneもAppleTVも「ユーザーサイド・マルチユース」のための設備投資に過ぎません。Appleが優れているのは「モノ作りのアビリティ」ではなく「ソリューション・プロバイダとしてのアビリティ」です。おそらく彼らは中韓のケイタイメーカー同様、技術的なイノベーションはほとんどしていません。客を見てるだけです。
実のところ消費行動自体が「消費」ではなく、目的達成のための投資であります。客は自分で自分の目的が曖昧だったり非明示的だったり非合理だったりするだけです。これを満たすものが「直感的」で「良いもの」で「人間らしい」です。
極端なハナシ「優れている」という印象や「コレを買える漏れは勝ち組」という自我さえ満たせればそれで良いケースというのもあります(1970 - 隣の車が小さく見えます)。
商売上は技術もデザインも要素の一つに過ぎません。「ハイテクハイテク日本はやっぱりモノ作り病」が進むとMOT(マネージメント・オブ・テクノロジー)とか横文字で言われなきゃ解らないような視野狭窄を起こします。MOTというのはひらたく言うと「儲からないなら趣味でやれ」です。
Appleは「作品」を生み出しているわけではありません。ただ「ウィンドウ」を固めているだけです。それでiPodの周辺機器メーカーからロイヤリティを得たり、ケータイ通信事業者に通話料のキックバックを求める事ができています。
歴史的には、Appleのやっている事は特に目新しい事ではありません。テレビでも映画でも、ウィンドウを固めた者の取り分が一番デカイものです。一県一波制に基づく地方局の電波利権、映画館の系列化、などなど。ラジオとかゲームとか出版とかでも調べれば出て来るでしょう。おそらくリモート・イグジステンサブル・エンタテインメント[*1]の黎明期にはつきものの動きだと思います。
余談ながら『もやしもん』に、酒造りの一工程を巡る戦争のハナシが載ってたんで、どんな業態でも黎明期には可能な限り「川上から川下まで」を囲い込もうとするものかもしれないです。
[*1]:またはパブリッシャブル・エンタテインメント。距離の制限を超えて再現できる娯楽。どちらも勝手な造語です。「時間の制限を超えて」の方はコピーライト(和名:著作権)っぽくなるのでそのニュアンスを割愛したかった。
ここでは個々の「Apple製ウィンドウ」についてざっとまとめてみます。できればこの図を横に開いて読んで下さい。
ブルーラインが流通回路ナンバーワンになれば、Appleは版元(コンテンツ・ホルダー)に対して優位に立てる。
最低でも ブルーラインが完成するまでの資金源として欠かせないので、シェアを伸ばす事は重要。Mac上でWinがシームレスに動くなら、Winアプリを全て"コンテンツ"として扱える。
世界的に見れば3Gの普及はこれからなので、まずは世界一普及しているGSMでシェアを奪取。IP網を軸にしたiTSを流通経路に使ってケータイ通信事業者のコンテンツ流通進出を先制。武器はワールドワイドのスケールメリットと「既にiTunesに溜め込んだライブラリ」。
ここでは個々の「作品ジャンル」への進出過程を時系列で見てみます。
第一に重要なのは 『ファイル管理システム』。大量のコンテンツの中から、聞きたいものを速攻で探し出せること。この「大量のコンテンツ」についてスティーブ・バルマーさんはかつて「iPodの中身は違法コピーで一杯」と発言しているが、Apple自身はノータッチなところがミソ。音楽で商売するならまずは客を音楽漬けにするのが先だ。
第二優先は 『接触ウィンドウ』。消費者とコンテンツの接触機会。音楽においてそれが「ウォークマン」である事は既にRioなどのmp3プレイヤが証明していた。この二つで圧倒的な優位を確保した上で、自社の 『購買ウィンドウ』に誘導する、というのが基本的なステップであるように思われる。
最後がYahoo!ミュージックへの進出。Yahoo!から見ればユーザーデータをiTSアカウントで全部持ってかれてもiTSの「出店」に集客効果があると言う事。iTSの取り扱いタイトルが充実してくれば、ポータルに対して 作品卸売り業が、版元に対しては 決済代行ができる。扱い品目をデジタルデータに限れば在庫管理の必要が無いが、その気ならAmazonとも楽天とも競合できる。
音楽ほど明瞭ではないものの、2005はDVDリッピングやP2Pでユーザーが映像ライブラリを溜め込む事に馴染んだタイミングと言える。ただしこの時点での主流はMPEG-4ASP+mp3.AVIであり、映像コデック・AVIの取り回しともに弱いAppleとしてはこれを受け入れる事はできなかった。ASPもAVIも多様でありすぎる。
最も重要な 『ファイル管理システム』は既に2001年のiTunesで確立している。iTSで作品を買うというスタイルも既に2003年に確立している( 『購買ウィンドウ』)。しかし第五世代iPodとAppleTVの間にはドッグイヤーで8.75年ものタイムラグがある。2006年はYouTubeがブレイクした年だが、音楽と比べると、ローカルに映像データを溜め込むというのは気楽に出来る事ではない。
音楽同様に、 著作権リスクを外部化 したカタチで客を映像漬けにする方法は明瞭ではないが、映像で商売するならまずは客を映像漬けにするのが先だ。YouTubeを字義通りテレビとして使って、Apple自身の利益はiTSで出せば良い。「画質」より「利便性」が重要な事は、過去の映像メディアの世代交代を見れば明らかだと思う。
ゲームに関しては先行する「ユーザーライブラリ」というものが無く、さらにiPod用ゲームが話題になっている様子もなく、すげぇ突飛に思われるとも思うんだけど、iPod/Apple TV/Macはゲーム・ウィンドウとしても軽視しがたい。
もしもゲームの版元が開発やユーザーサポートの負担を減らしたいと思ったら、ハードウェア構成に幅の少ないMacintoshは、向いている。AppleTVはさらに向いている。ケータイでゲームする事を考えればiPodのクリックホイールは十字キー+Aボタンとして充分だし、iPhoneにモーションセンサーの一つも付いた日にゃあApple TVと組ませてWiiになる。iTSでオンライン販売できれば流通コストも激減するし、FairPlayなら安心だ。ユーザーとしてもいちいち棚から光学ディスクを出してくるよりiTunesライブラリから呼び出す方が楽だろう。
実はAppleが最初にゲームに色気を見せたのは1999年、初代iTunesよりも前の事だ。
同年1月のMACWORLD Expo/SFにて、ジョブスさんは基調講演で自らConnectix Virtual GameStationというPlayStationエミュレータを紹介している。これは翌月のMACWORLDExpo/Tokyoでも紹介され、大きな反響を呼んだ(当時のMacはまだOS9起動で、液晶iMacが出るか出ないかというところ、ハイエンドはG3)。SONYは速攻でConnectix社を訴えたが 敗訴 。後に同事業を買収して市場から「なかったことに」したと記憶している。
ここからジョブスさんは、ゲームコンソールから直にコンテンツを引っ張ってくるのは難しいと学んだものと思われる。北米においてエミュレータは特に非合法でも、またそういうイロのついた存在でもないが、日本のゲーム会社は収益構造上それを受け入れる事はできない。また、容易く勝てる相手でもない(初期には赤字のハードも、タイトルが充実してくる頃にはコストダウンで黒字化する。つまりPS2直前の1999というタイミングはもろにPS1の収穫期。また、初めて後方互換性を備えたPS2の初動をヌッ頃しかねない。SONYとしては全力で対策する必要があった)。
しかしその後、Windows用ゲームが世界的に盛んになり、コンテンツに充分な厚みが出て来た。
もしも2007秋に予定されているLeopard以降のMacOSXでWindowsがシームレスに稼働するならば、iTSにWin用ゲームタイトルが並べる事ができる。
…というのはWWDC 2007では出てこなかったが、 id Softwareの次世代ゲームエンジンが紹介された 。ゲームエンジンとはゲームプログラムのコアみたいなもので、この上にキャラクタなりなんなりを載っけて行けばゲームが作れるよというものだ。専門化が進んだゲーム製作の垂直分裂と考えればいいだろう。実際これを下敷きにしたゲームをマニアさんが作ってしまう事もある。
基本的にゲームでグレーなユーザーライブラリが先行するとは思えないが、音楽も動画もライブラリ管理が当たり前の時代になんでゲームだけ?という時代はいずれ来る。
時期 | 音楽 | 動画 | ゲーム |
---|---|---|---|
1999/01/04 |
MACWORLD Expo/SFにて、 Connectix Virtual Game Station をジョブス自身が基調講演で紹介。 |
||
2001/01/09 | iTunes発表 | ||
2001/10/23 | iPod発表 | ||
2001/11/02 | iTunes 2.0:iPodをサポート | ||
2003/04/28 | iTunes Music Store開始 | ||
2004/10/28 | iPod photo | ||
2005/5/9 | iTunes 4.7.1:動画対応 | ||
2005/10/12 |
|
第5世代iPod:動画対応 | |
2006/09/12 | iTunes Music StoreをiTunes Storeに改称。 | ||
映画販売を開始 | iPod用ゲームの販売を開始。 | ||
2007/3月 | Apple TV発売 | ||
2007/6月 | Apple TV、YouTubeに対応 | ||
iPhone発売 |
流通部門が寡占になると、コンテンツの制作者は、制作資金調達、マーケティング等において流通事業者に大きく依存せざるを得ない状況になる。最終的には付加価値の多くを流通事業者が取得する構造となり、価値を創造する人々に成果に応じたリターンが渡らない。
一旦構造が出来上がると既得権益化して崩しにくくなる。コレはジョブスさんの性格や考えとはほぼ無関係。例えば、映像ビジネスを単純化するとこうなる。
日本の場合、既存ウィンドウをもってかれると映像製作者の資金調達が困難になる。ハリウッドの場合は作品の見込み売り上げ(映画館・DVDなど)をベースに資金調達するが、なんだかんだ言っても日本の映像産業の資金源はキー局。視聴率狙いの広告資金が主軸だ。
別にキー局や家電メーカーがへげへげになっても自分は困らないが、雇用やGDPには絡んで来るし、なにより映像製作社がへげへげになるのは困る。要するにソフトパワーどころではない。
で、1)~3)はAppleがどうというより、日本の構造問題なのであった。
瀕死のAppleがここまで来たんだから、日本がもうダメポって事もないと思うんですけども。
▼試訳ここから▼
目を逸らすな。Appleは業界で最も横暴な存在になりつつある。マイクロソフトではない。
Mike Elgan, Computerworld
2007/9/7(金) 8:00 AM PDT
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10年前、Microsoft は誰もが嫌う会社だった。
最も騒々しい Microsoft 嫌い達はこの会社を、独占的で、ださくて、人真似に過ぎないOSを使って、人々にはソフトウェアを、パートナーにアンフェアなライセンス契約を強要する強欲さと弱いものいじめの会社だと非難した。
だが目を逸らすな。今やその立場は Apple のものになりつつある。Microsoft ではない。この記事では、独占的で、ひとまね企業で、弱いものいじめのAppleが、いかにMicrosoftを脇に追いやったかについて述べる。
90年代におけるMicrosoft批判のコアはWindowsの市場シェアから得た独占的支配権の弊害だ。IEの「バンドル」による Attorneys General and others zeroed(*訴訟の乱発と他社排除?*)は、IEはWindowsの一部とするMicrosoftの主張はユーザーの自由を損なうという批判を生んだ。
みんな大好きiPod(私自身を含む。家族4人だが過去数年で12個買った)。だがiPodはiTunesとバンドルされている。 Appleから音楽を買いたい?ならiTunesをインストールしなきゃ!。AT&TからAppleの携帯電話を買いたい?なら iTunesが必要だ。ただ単に電話をかけるだけであっても!。Apple phone用の着メロを買いたい?はい、iTunes。
Appleは様々な製品に iTunesを「バンドル」するだけでなく、あなたにその使用を強いる。少なくともIEならいつでも競合品をダウンロードしてIEの事は無視する事ができる。
それはフェアぢゃない。とあなたは言うかも知れない。どんなデバイスでもPCとデータ同期が必要なら、その為のソフトを使うものだ。それがメダマなのだから。たしかにそうだ。しかしOSもまたブラウザをメダマ機能として持っている。Mac OSXにはSafariが付いて来るでしょ?iPhoneもそうでしょ?
「バンドル」は効く。Steve Jobs は今週、AppleはiTunesで6億曲のコピーを配布したと自慢した。その圧倒的大多数はiTunes for Windowsによるものだ。そしてこの iTunes for Windowsの人気は、ソフトウェアの品質に依るものでは、無い。iTunesは私のシステム上で最も動作が遅く、最も不細工で、最も直感的でないアプリケーションだ。しかしiPodが大好きな私にはこれが必要だ。
少なくともWindowsでは、PCをフォーマットしてLinuxなりなんなりの代替OSをインストールできる。 iPodをフォーマットしてなにか他の物をインストールできるだろうか? iTunesをアンインストールした後でも、 iTunes store で買い物して、私の iPods を使い続ける事ができるだろうか? Appleはその全てを、強力に阻止する。iPodとiPodのソフトウェアとiTunesは三っつで一つの製品なのだと主張する。それは Microsoft が Windows と IEについて言ったのと同じだ。
例えば、私が父親のクリスマスプレゼントを買いに地元の店に行ったとしよう。メディアプレイヤの売り場の中に小さな「 iPod 売り場」がある。他のプレイヤもあるが、明らかにiPodがデファクト・スタンダード(*trusted standard*)だ。私はピカピカの「太っちょの」iPod nanoを買った。ビデオ再生もついている。
父は包みを空けて大いに喜んだ。説明書を読み、iTunesをインストールして速攻でiTunes Storeで散財し、数ダースの曲を購入した。彼はそれが気に入り、一瞬でポータブル・デジタル・ミュージックに馴染んだ。
ひとつだけ残念だったのは、彼が毎日ジムに通っている事だ。そこでは cardio machines(*心拍計?カーオーディオ?*)のテレビは音をFMラジオで放送している。6ヶ月後、iPodが盗まれた時に父は新しいプレイヤを買いに行った。この機会にFMラジオの付いたものが欲しいと思っていた。競合製品の中にはFM付きがいくつかあったが、iPods にそういうのは無かった。彼はほとんどFMラジオ付きを買うところだったが、購入済みファイル ~今や曲が300、映画が50~ のほうはそれが気に入らなかった。ぜんぶお金を払って購入したものだが、それらは iPods と iTunesでなければ再生できないのだ。
Apple has an iPod customer for life. Microsoft never had this kind of monopoly power. Sorry, dad. I should have bought you a tie.
Appleは iPod を買った人を生涯所有する(*または生活を支配する*)。Microsoft がこの種のモノポリー・パワーを持った事は一度も無かった。ごめんね父さん。ネクタイにしとけばよかった。
(*値段の高さに驚くこと*)
Appleの独占支配力を示すもう一つの糸口は Sticker Shockだ。$4.50もするシアターコンプレックスのソフトドリンクを買う為に、これまで何度行列に並んだ事だろう?入り口から出て50フィートも行けば、同じものが1/3の値段で買えるのに!。でも、申し訳ございませんが飲食物の持ち込みは禁止となっております。彼らはソフトドリンク販売について独占支配力を持っている。言い値で買うほかないのだ。
昨日、同じ衝撃が iPhoneエンスーを襲った。Jobsは iPhoneの着メロ(iTunes販売曲ベースのもの)は元の曲を購入した上で、追加で99セントと発表したのだ。は?一曲まるごとが99セントするのだよ? 30秒聞くためだけに同じ額をもう一度払えという事? 30秒って無料のiTunes「サンプル」と同じ長さだよ?いったいおまえわなにをいっているんだ?
Apple は独占支配がもたらす価格決定権をバッチリ理解している。彼らは3ヶ月の間に 8GB iPhone を2種類の価格で売った。 $599 と、現在は $399だ。iPhoneが唯一のマルチタッチ・ビッグスクリーン・Wi-Fi iPodに触れるチャンスだった間 ~iPhoneに競合製品が無い期間~、$599 だった。ある予測によるとiPhoneの製造コストは $245.83だと言う。真偽のほどは私には解らないが、もし事実なら、販売価格の半分以上が利益になったと言う事だ。これは「アコギなショーバイ」だ。しかしAppleはiPhoneの競合製品を出すやいなや~ iPod Touch ~、価格を1/3引き下げた。
「OSX メディアプレイヤ市場」に競合他社が存在した場合を考えて欲しい。これらのデバイスは全て $300 以下になることが期待できる。ああ、でも息を止めないで。たぶん決してそうはならない。Appleには自社のメディアプレイヤで走るソフトから全ての異物を排除する力がある。Microsoftはそれを夢見ることしかできなかった。
*メモ
*100ドルのキャッシュバックは、そのぶんの資金調達、株価へや企業イメージへの影響などをじっくり準備していたはず。
*「アコギなショーバイ」:原文は theater soda pricing。「映画館のコーラ」と名詞化すると、pricingの持つ「行為に対する反感」がボケると思った。「デッドボール狙い」みたいな語感かなと思ったので。
*この高利益率は部品メーカーには回らない。
なかの部品が全部日本製であっても、サムスンとの価格競争がAppleの利益を膨らませる。
サムスンを撃滅して部品市場(NANDフラッシュやハードディスク)を独占するか、または他に撃って出るか。
前者は最低でもサムスンを撃滅しない限りAppleが調達競合に使う。これはデザインや使い勝手を武器にしたサムスン、価格を武器にした中国のケータイが日本メーカーに対して使った手でもある(ハイテクが利益を生むのではない。それはショーバイ道具の一つに過ぎない)。
10年前、Microsoft嫌いはWindowsは Mac OS のGUIの真似だと文句を言った。フォルダ、ゴミ箱、サイズ可変ウィンドウ、などなどのコピーだと。彼らはWindowsのバージョンアップの都度、それを繰り返した。AppleがOS宇宙の創造者であり有用な機能はそこで最初に生まれるのだ。Microsoftは後から来て、Appleが開拓した機能をコピーして、独占支配力を使って利益を得ただけだ。
だが、現在のイノベータは誰だ?JobsがiPhoneを発表すらしないうちから LG KE850はフルスクリーン、タッチスクリーン、オンスクリーン・キーボードで数々の賞賛を浴びていた。
iPhone 、iPod Touch の最も良い点、~ジェスチャ入力によるwarm-and-fuzzy(* 直感的で人に優しい*)UI~、も、新しくは無い。数多くの研究所が類似のUIを10年以上に渡って発表している。Microsoftすら、5月にfully realized 3G UI(*不詳*)を発表している。もちろんiPhoneの出荷前だ。Microsoft は11月にMicrosoft SurfaceというテーブルトップUIを出荷するが、Appleもこの 3G UI 分野に数ヶ月か数年遅れで乗り出すようだ。
Wi-Fi搭載メディアプレイヤ? ハ!。Microsoftの Zune はAppleに1年も先行しているし、SanDiskの Sansa Connect with Wi-Fi は6月に発表されている。タッチスクリーンのスマートフォンを販売するHTCによれば、AppleはiPod Touchの為に名前を盗む事までやっている。
誤解しないで。私はAppleこれらの機能を競合他社より遥かにウマく実装しており、カギとなる機能を開拓したのが他社だからと iPhoneの操作をフクザツにする、なんて事にならなくて良かったと思う。しかし、この記事の主題はそこではない。この記事の主題は「AppleはMicrosoftがした事をやっている」と言う事だ。すなわち、他社が先行した機能で市場を支配している。もしもWindowsの故に Microsoftを糾弾するのがフェアであるのなら、iPhone とiPod Touchの故にAppleを糾弾するのもフェアだ。
参考:LG
KE850:
記事タイトルは『LGから「iPhoneそっくり」のプラダフォン KE850』だが、読めばこちらが先だと解るように書いてある。コンセプトモデルでは無いという事は、その下のOSに関するノウハウの蓄積がタダモノでは無いと言う事だ。
Microsoftは大物のジャイアンだった。みんなを押しのけてパートナーに指図を下していた。こうした側面は現在では薄れている。 Microsoftの再販業者はほとんどが、厚かましくもLinuxを売り歩いている。 Intel -- Wintelの "tel" -- すら、いまやMacのパワーソースだ。Microsoftは現在も収益を維持しているが、コントロールは失った。誰も否定しない「弱いものイジメ」という世評も共に。
この間、Jobsは唐突に Hollywood で最も恐れられる男になった。木曜日に彼がAppleのデジタルメディア販売の恐ろしい支配力を自慢したハナシでは、iTunesの売り上げは、曲が30 億以上にTV番組が 9500万(*ドル?*)だ。 他方、音楽CDの売り上げは全くうまくない。全ての楽曲販売のほぼ1/3がいまやデジタルだ。昨日Jobsが遠回しに言った通り「iTunesは進むべき道を先導している」。
詳細はつまびらかでないが、NBCはより「フレキシブルで」より高い売値をiTunesのTV番組販売に求めたと思われる。Apple はNOと言い、NBCは荷物をまとめた。彼らは他の場所で商売する事を考えている。例えば自前のサイトやアマゾンなど。自分の予想では:NBCは Appleの言う条件で仲間に戻してくれと乞う事になるだろう。なぜならiTunesは急速に、音楽や番組を売る企業にとって唯一の収入ルートになりつつあるからだ。
Jobsが支配する。Bill Gateが一度もしなかったようなやりかたで。もしデジタル・ミュージックやダウンローダブル・TV番組のビジネスで成功したいなら、彼に従う事になるだろう。
*2節目の言い回しにちょっと引っかかったが、CDは「デジタルではない」という感性かもしれない。「デジタル」という単語は、技術的な意味と、社会的な「デジタル革命」的な文脈を抱えており、めんどい。いやこれは文系サイドの責任なんだけども。うーんと例えば地デジはかなり「デジタルぢゃない」。デジタル魂、デジ魂が無い。なんかもっと合理的な振りのできるコトバないかな。
ここまでを読んだ人は次を読んで驚くだろう。:私はAppleを捨てない。支持する。
拡大しつつあるAppleの悪評は当然だ、と言うつもりはない。しかし、Microsoftの悪評はその行為に見合ったものだった。全て悪のモノポリーは、誇大広告をうち、裁判で争い、そしてMicrosoftに対する人々の言動は、この業界のエネルギーとリソースを費消した。しかしながら、自由市場はこの問題を正しく補正した。Microsoftのケースでは、Linux, Firefox, そしてAppleが、消費者の手には常に選択肢がある事を証明した。
専門家、ブロガー、ユーザー、政治家、ハリウッドの大物、監督機関、弁護士、そして競合他社の Appleバッシングが増えてゆくに連れて、彼らの不正な行動を糾弾し、法的または行政規制を求めるに連れ、私はAppleを擁護する。かつてMicrosoftにそうしたように。市場を支配するほど巨大で、パワフルな企業を叩くのは楽しい。しかし結論として、Appleはその伸びゆくパワーと影響力を自力で稼いだのだ。 Microsoftと同じように。
Appleは独占主義者か?ひとまね企業か?弱いものいじめか? イエス。その通り。それはそうあるべきなのだ。もし誰かがAppleの成功は問題だと考えるなら、さぁて、法律家に恃んでもMicrosoftのときは結果が出なかった。Appleの場合も同じなんぢゃないか。
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Mike Elgan はテクノロジーとグローバルなテックカルチャーに関するライター。
▲試訳ここまで▲
FC2の新システムと自作テンプレのつたなさから、いまここ、へげへげなんすけど、関連記事。
あとこれも。
自分の基本線は「独占は腐敗と停滞を生む。独占は腐敗と停滞しか生まない」です。マカゆえに。
Apple(という企業)の行動をどう評価するかは人それぞれですが、彼らが圧倒的に独占的な地位を獲得している事は、確かだと思います。
自由競争を信奉するなら「文句があるなら競争しろ!」です。
一方「弱者と強者の間にあっては、自由は抑圧の源であり、それを解放するものが法である(ジャン・ジャック・ルソー)」という立場もアリです。
というか「独占は腐敗と停滞を生む。独占は腐敗と停滞しか生まない」なら両方の相克が必要なのだと思います。みんな大好きiPod(製品の評価)でそこをシカトしてたらダブスタでしょう。マカとして。
それにしても、このブログをなんとかせねばとHTMLとCSSの本読んでんですけど…うーむ、IE6め。
原文:ipodminusitunes
知った場所:「iTunes以外での同期」を締め出した新iPod nanoとclassic - CloseBox and OpenPod [ITmedia オルタナティブ・ブログ]
2007年9月14日
Appleは、iTunesよりも出来の良い他のメディアプレイヤが気に入らず、どうやら新世代iPodでは使えないように細工することに決めたようだ。
誰が影響を受けるのか?
Linuxユーザーだ。LinuxにiTunesは無いので、一般的にgtkpodやRhythmboxなどのiPod管理ツールを使うが、こうしたツールは新世代iPodには使えないという事になる。
またiTunesが気に入らず、WinampやEphpod、その他たくさんあるiPod管理ツールを選択しているWindowsも影響を受ける。
どんな影響があるのか?
iPodは楽曲とプレイリストをあるデータベースファイル形式で管理する。iTunes DBだ。これはiPod中の非表示フォルダにある。場所はiPod_Control/iTunes/。
初期のiPodでは、このファイルフォーマットは、iPodは使いたいがiTunesは要らないという人々の手ですぐさまリバースエンジニアリングされた。これはiTunesがMac専用だった頃、すなわちWinユーザはReal Playerに拘泥し(それは酷いものだった)、そしてLinuxユーザにはまったく手段がなかった時代、今よりも重要な事だった。
このデータベースフォーマットは何年もの間、進化を続け、iPodはサポートの幅を拡げて来た。ビデオ、ポッドキャスト、アルバムアートワーク、スマートプレイリスト、などなどなど。その間、データベースファイルの基本構造はずっと変わらなかったので、こうした変化に付いてゆくのは難しいことでは無かった。
新世代iPod ~ 新しいNano, iPod Classic, そしてiPod Touch ~のリリースでも我々は同様に考えていた。若干の微調整をそこかしこに加えればいままで通り、うまく行くと考えていた。それは間違いだった。
At the very start of the database, a couple of what appear to be SHA1 hashes have been inserted which appear to lock the iTunes database to one particular iPod and prevent any modification of the database file. If you try to do either of these, the hashes will not match and the iPod will report that it contains “0 songs“ when the iTunesDB would otherwise be perfectly adequate.
(*↓自信皆無、原文併記↑*)
データベースの開始点で、SHA1ハッシュが挿入される。これはiTunesデータベースを特定の一台のiPodにロックする。そしてそれ以上、データベースファイルを弄る事を禁じる。どちらかでも弄ろうとする場合、ハッシュの不一致が起こり、iTunes DBが完全な場合でも、iPodは “0 songs“ (曲が無い)をリピートする。
それはなんとかならんのか?
うーん、もしかしたら。マジでリバースエンジニアリングのエキスパートの助けが要る。
以下は、現時点までに我々が解明した iTunesDB fileの開始点:
MHBD header:
0x00 4 mhbd
0x04 4 header size = 0xBC (changed)
0x08 4 filesize
0x0C 4 unknown = 1
0x10 4 version number = 0x19 (changed)
0x14 4 child count = 0x05 (changed)
0x18 8 itunes databaseid
0x20 2 unknown = 2
0x22 2 unknown = 0x0263 (changed, 0x0000 before)
0x24 8 ipod identification? (changed)
0x2C 4 zero padding
0x30 2 unknown = 1
0x32 20 unknown, changing completely from itdb to itdb
0x46 2 language, seen: de, en
0x48 8 library persistent id
0x50 4 unknown, seen: 1, 5
0x54 4 unknown, seen: 0x08, 0x0D, 0x1D, 0x4D, 0x8D
0x58 20 unknown some similarities between versions
0x6C 4 timezone offset in seconds. +2*60*60 -> 0x00001C20, -4*60*60 = 0xFFFFC7C0 (really?)
0x70 76 zero padding 0x00000000
0x32 は SHA1 hash のようだ。また 0x58 もそうかもしれない。
誰か手を貸してくれないか?この手の事に詳しくて、新世代の iPod Classic か Nanoを入手できる人があったら、freenode#gtkpod へ来て欲しい。
コメント総数 82
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※訳注:リバースエンジニアリングが禁止されていない国や地域というものが存在するそうですが、日本国内がどうかは知りません。
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自分なりの解釈:
「iTunes Storeで買い、iTunesで管理し、Apple TV / iPod / iPhoneで楽しむ。」この輪っかからユーザを出しては、儲けが減る。「ユーザーがサクヒンと接触する機会」を「ウィンドウ」という言葉でくくると、
イ)購入ウィンドウ(iTunes Store)ではほぼ圧倒的なシェア。
ロ)ハード・ウィンドウ(Apple TV / iPod / iPhone)もほぼ圧倒的なシェア。または大人気。
ハ)ソフト・ウィンドウ(iTunes)はこれらを繋ぐカナメ。
三つでひとつの「見世物小屋」なわけで。Appleはイ、ロ、ハを一体で売り、ユーザーが一生その外に出ないようにしたいわけで。イ、ロ、が圧倒的なシェアを獲った以上、焦点はユーザーライブラリを自己のコントロール下に置く事。DRMだけなら、iTunes Storeで何も買わなければ「Jobsの首輪」から多少は自由で居られたのだが。
いずれにせよiTunesは機能が肥大化しており、Mac OSX 上でもいささか重い。速攻でSound JAMから乗り換えた時のようなシンプルさ、解り易さは失せている。今は代替ソフトがあればなぁと思う。
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2007/09/20追記:
以下全てITmedia +D PC USER:林信行の「Leopard」に続く道
第1回:理想と現実のギャップにあえいだ黎明期のMac OS (1/2)大作でございます、圧巻でございます。