【概要】ゲーム脳に似てないかコレ?
MSN 毎日インタラクティブが不思議な話を乗せていた。なんとなくゲーム脳と似た部分があるように思える。流れはこんな感じ。
全記事とも山田寿彦氏による。
自 然食はおいしい:知っておきたい「牛乳有害説」◇大腸炎もできる--米国の医科大教授・新谷氏
牛乳が生産過剰に陥り、1000トンの廃棄処分が決まった。ホクレンなどは消費拡 大に躍起だ。牛乳は健康に良い食品だと一般に信じられているが、牛乳が実は人体に害を及ぼすとの主張も根強く存在する。酪農王国・北海道には悩ましいが、 消費者として「牛乳有害説」も知っておきたい。
「病気にならない生き方」(サンマーク出版)は現在65万部のベストセラー。「胃腸は語 る」(弘文堂)は98年の刊行以来11万部。著者は米国アルバート・アインシュタイン医科大外科教授で胃腸内視鏡外科医の新谷弘実氏。30万例の胃腸を診 察した目で数々の“健康の常識”を覆す。その一つが牛乳神話だ。
大部分の人の胃相・腸相は「牛 乳を飲むことによって悪くなり、難病ともいえる悪性炎症性の大腸炎もできる」。牛乳が子供たちのアレルギー体質を作ることや、飲み過ぎが骨粗しょう症を招く危険性も紹介し ている。
出版社や新谷氏の事務所によると、牛乳メーカーや農協から抗議などは一切ないという。
生活習慣病予防のための「食事バランスガイド」を昨年作成した厚生労働省に聞いた。ガイドによると、1日に必要な牛乳・乳製品は 牛乳換算で180CC。牛乳有害説の評価について「それは内閣府の食品安全委員会の所管」(生活習慣病対策室)との回答だった。
食品安全委員会は「厚生労働省から特に要請がないのでそのような審議はしていない。見解もない」(事務局)。典型的なたらい回 し。行政も牛乳批判を無視・黙殺していることが理解できた。
道の健康増進計画の素案にもこのバランスガイドが引用されている。立案した地域保健課の担当者に新谷氏の著書を示すと、「それが正しいと言える根拠はどこ にあるのか。日本人のカルシウム不足は牛乳で補うべきだと考える専門家の方がはるかに多いのではないか」。続けて「(牛乳が問題だという)国の情報はな い。だから国と同じ見解です」。「地域主権」が聞いてあきれる。
宗谷管内豊富町の酪農家でチーズやアイスクリーム作りも手掛ける久世薫嗣 (しげつぐ)さん(62)は牛乳・乳製品を否定する立場ではない。しかし、日本で主流の超高温殺菌牛乳(130度、2秒殺菌)の問題点を次のように指摘す る。「予備加熱(85度で15~20分)でたんぱく質が熱変性し、発がん物質ができる可能性を指摘する学者もいる。カルシウムも熱で不溶解性のものに変化 するので吸収されなくなる。これが一番大きな問題です」
久世さんは牛乳は低温殺菌(65度で30分)で飲むことを勧める。そして、問題だらけの牛乳を生み出している効率優先の生産・加 工・流通のシステムを問い直すべきだと訴える。【山田寿彦】(3月25日掲載)
ここまでで思った事。自 然食はおいしい:牛乳有害説の根拠聞く 新谷さん「臨床データから得た」ベストセラー「病気にならない生き方」(サンマーク出版)などを引用し前回、「牛乳有害説」を紹介したところ、読者の方から「データの裏付けはあ るのか」などの質問を頂いた。著者で胃腸内視鏡外科医の新谷弘実さん(71)=ニューヨーク在住=に電話インタビューした。新 谷さんは「牛乳が体に良くな いのは私自身の膨大な臨床データから得た結論であり、確 信を持って言える」と断言した。【聞き手・山田寿彦】
--確信の根拠は。
◆胃相や腸相の悪い人にがん患者が多い。そういう人の食歴を聞くと牛乳や乳製品、動物食の食べ過ぎという決まったストーリーがあ ります。そもそも牛乳は子牛が飲むもの。人間が飲むのは 自然の摂理に反します。不自然なものを飲むから病気になるのです。
--30万例以上の胃腸内視鏡検査をされたそうですが、そんなに多くこなせるはずがな いという疑問も元勤務医の方から寄せられました。
◆自分を基準に他人の技術をう んぬんしないでほしい。1968年から内視鏡検査を始め、1日に50~60人見てきました。1人に5分以上かけないし、かからない。お疑いなら見に来て下さい。
--ほかにもデータはありますか。
◆米国人7万8000人を12年間追跡し、牛乳を飲むほど骨粗鬆(そしょう)症になる関係を明らかにしたハーバード大の研究が 5、6年前に発表されました。「牛乳」「毒」のキーワードでネット検索すると700本ぐらいの文献が見つかります。
--日本では牛乳でカルシウムが採れると栄養士は言います。
◆ 牛乳を飲むと血中のカルシウム濃度が確かに上がる。しかし、体温や血圧などを一定に保つホメオスタシス(恒常性)という機能が人体にはある。カルシウム濃 度が一時的に上がるとまず、腎臓から急激にカルシウムや他のミネラル、ビタミンまで排せつされます。牛乳のたんぱく質も問題で、分子が小さいためにアミノ 酸に分解される前に異物として腸から吸収される。体が抗原と認識して抗体ができ、アレルギー体質になります。栄養士にだまされてはいけない。
--学校給食に牛乳は毎日出る。栄養士がお墨付きを与えています。
◆日本の栄養学が一番の悪で す。カロリー計算が中心で、米国から見ると30年遅れている。そんな ものに基づいた食育なんかない方がいい。
--北海道庁ではお茶代わりに牛乳をと職員に呼びかけています。
◆ 配合飼料を大量に食べさせた不健康な牛から搾り、まずかき回して均等化し、しかも120度以上で高温殺菌した「死んだ牛乳」は過酸化物質です。飲むほど老 化を早めます。どうしても飲みたいなら、自然のものだけ を 食べさせた健康な牛から搾った牛乳(高温殺菌でないもの)を少し飲むぐらいにして下さい。
--牛乳がだめとなると酪農家は困ります。
◆ 酪農家は牛を飼うより大豆や野菜、米などを作り、食料自給率を上げることに貢献した方がいい。政府がそれを奨励すべきです。中国が世界の余剰穀物を買い占 めるようになると、日本は食糧危機に襲われますよ。
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■人物略歴 ◇しんや・ひろみ 福岡 県生まれ、順天堂大医学部卒。大腸内視鏡によるポリープ手術に世界で初めて成功。これまでに9万例以上のポリープを切除している。アルバート・アインシュ タイン医科大外科教授。「病気にならない生き方」は75万部を超えるベストセラー。(4月29日掲載)
と、いうことで、自 然食はおいしい:「牛乳有害説」に北大名誉教授・仁木さんが反論◇「科学的検証ない」--米在住の医師・新谷弘実さん「牛乳有害説」に北大名誉教授・ 仁木良哉さんが反論
4月29日本欄で掲載し た「病気にならない生き方」(サンマーク出版)の著者で米国在住の医師、新谷弘実さん(71)のインタビュー「牛乳有害説の根拠を聞く」に北海道大名誉教 授(畜産化学専攻、農学博士)の仁 木良哉さん(74)=石狩市 在住=から「科学的検証のな い主張だ」との反論が寄せられた。新谷さんの主張を整理し、仁木 さんの反論を紹介する。
●牛乳は子牛が飲むもの。人間が飲むのは自然の摂理に反する
仁木 子牛のための牛乳と食品として の牛乳の意義を混同している。人類は牛を紀元前数千年前 から家畜化し、牛乳を食べ物として利用してきた。牛乳は気候条件や土 壌に恵まれない国や地域の人々 の命を支えてきた。この優れた食品である牛乳の利用がなぜ自然の摂理に反するのか。
●米国人7万8000人を12年間追跡し牛乳を飲むほど骨粗鬆(こつそしょう)症になる関係を明らかにしたハーバード大の研究が ある
仁木 その論文には「牛乳を飲むほど骨粗鬆症になる」と は書かれていない。牛乳の摂取によって骨折のリスクが減る証拠はないと結論づけているが、日本人の 1日所要量に相当するカルシウム(600ミリグラム)を摂取したグループと、それ以上摂取したグループとを比較しており、カルシウム摂取量が所要量まで平 均していっていない我々日本人には意味のないデータだ。自分の主張に都合良く訳している。
骨は日々新陳代謝し、壊された骨のカルシウムは 主に尿中に排せつされる。大阪市立大の西沢良記氏の研究によると、カルシウムは1日560ミリグラム以下の摂取量だとカルシウム-バ ランス(出納)がマイ ナスになり、それ以上摂取してやっと骨に蓄えられる。1200ミリグラムの摂取でも骨には十分沈着する。新谷氏の言う現象はありえない。日本人が1日に飲 む牛乳は平均約130ミリリットル(カルシウム144ミリグラム)。「牛乳を飲むと骨粗鬆症が起きやすい」という議論は全く無 意味だ。
●人体のホメオスタシス(恒常性)機能で血中のカルシウム濃度が上がるとカルシウムやミネラル、ビタミンが急激に排出される
仁木 牛乳を数百ミリリットル 飲んでもカルシウム-バランスはマイナス。カルシウムのわずかな増加でどのようなメカニズムでホメオスタ シスが働くのか。他のミネラルやビタミンまで排出されるという話も全く理解できない。
●牛乳のたんぱく質は分子が小さく、アミノ酸に分解される前に異物として腸から吸収されアレルギー体質を作る
仁木 牛乳の主要なたんぱく質・カゼイン(分子量約2万)は牛乳中ではリン酸カルシウムの関与の下、会合し巨大な粒子(同約100億)として存在する。 内 部はたんぱく質分解酵素が自由に入れる緩やかな構造を持つ。こ の巨大な粒子が消化管から生体内に入ることなどできない。消化酵素で容易に分解される優れた 性質も知られている。
●120度以上の高温殺菌牛乳は過酸化物質である
仁木 加熱殺菌は食物保存の最も優れた方法だ。牛 乳の殺菌時間は数秒間。この程度の加熱で栄養的価値が低下することは考えられない。揚 げ物、焼き魚・肉、炒め物では180~250度で数分~数十分。なぜ 牛乳だけ問題視するのか。酸化に必要な酸素が常圧で牛乳に溶け込むのは難しい。牛乳中の溶存酸素量は極めて微量。殺菌工程もほ ぼ密閉系で乳脂肪が空気と接 触する機会は少ない。
酸化は構成脂肪酸の二重結合の位置で起きるが、乳脂肪は他の油脂より二重結合の数は少ない。数が少ないとはいえ、溶 存酸素と構成脂肪酸の二重結合が存在する状態で乳脂肪の酸化を完全には否定できない。しかし、脂肪の過酸化には活性酸素の存在が必須になる。殺菌過程で酸 素が簡単に活性化するとは考えにくく、脂肪の過酸化の可能性は極めて低い。「高温殺菌牛乳は過酸化物質」という表現には疑問を禁じえない。
●酪農家は大豆や野菜、米などを作るべきだ
仁木 福岡県生まれの新谷氏は知らないかもしれないが、北海道の北部で米はできない。しかし、牧草は育つ。北海道の酪農家は厳しい気候条件の下、休まず牛 を飼い、牛乳を生産している。牛乳はチーズ、ヨーグル ト、アイスクリームなどの形で世界中に「食の豊かさ」を提供している。あまりにも偏った見方で牛乳を 有害な食物と評価し、牛乳利用の選択肢を奪うような誤った情報発信はやめてほしい。牛乳の理化学的性質の研究に50年近く携 わってきた一研究者の切なる願 いである。【構成・山田寿彦】(6月24日掲載)
2006:知っておきたい「牛乳有害説」(毎日新聞北海道支社報道副部長・山田寿彦記者)最初にひっかかりを感じたのはこの言い回しでした。練り込んであるなぁ。と感心したという意味です。
胃腸内視鏡外科医30万例の胃腸を診察した目で数々の“健康の常識”を覆す。その一つ が牛乳神話だ
1973:新造人間キャシャーン・前説これはローカルのメモ帳の「カッコイイ台詞フォルダ」にありました。あとこれも。
たったひとつの命を捨てて 生まれ変わった不死身の体 鉄の悪魔を叩いて砕く キャシャーンがやらねば誰がやる
1951(?):松竹京都『鞍馬天狗・角兵衛獅子』・前説とおぼしきもの。70年代の邦画斜陽期に、脚本家等が大挙してアニメに流れたという話がどっかにあったのですが、うまくみつかりませんでした。さらにローカルのメモ帳で 淵元を辿ると、1920年代の「剣劇」というジャンルの芝居に行き当たります。
東山三十六峰、草木も眠る丑三つ時、静寂(しじま)を破ってたちまち起こる剣戟の響き
沢田正ニ郎(1892~1929)(早大の広報サイトらしきものから)マンガ・アニメ・ゲーム「的なもの」と繋がった気がしましたよ。なんていうんでしょう「意識の文脈」みたようなものが。ひらたくいえば「伝統」でしょう か。
新国劇の創立者。3歳で父と死別し、母とともに上京。開成中学に在学中、新派悲劇の芝居を見て感動し、俳優になることを決意する。
文壇・劇団の勢力が早稲田派に占められていることを知り早稲田に入学、文科の春季大会の余興に大隈総長邸で演じた逍遙作の「桐一葉狐城落月」は大成功を収 めた。
文芸協会・芸術座を経て独立、1917年同志とともに「新国劇」を結成(26歳)。
それから12年、大衆劇の新分野を開拓する一方、“たち回り”を取り入れ、”沢正”の愛称で広くファンを獲得した。
「国定忠治」、「月形半平太」、「大菩薩峠」、「沓掛時次郎」と大ヒットを続けた。1929年「赤穂浪士」を上演中に中耳炎が悪化、38歳の生涯を終え た。
「演劇半歩主義」を唱え、半歩だけ民衆の先をを歩き、半歩は民衆の趣味の中にあると した。
元ネタ不詳・ローカルのメモから「浅香光代元祖ツンデレ説」を提唱してみようかと思いましたが思ってみただけですすいません(女剣劇+大阪で連想を飛ばすと宝塚歌劇団も同時代のようです。あれも外連味の佃煮ですわな)。
一九二一年 沢田正二郎の新国劇が東京で「国定忠治」を上演しリアルで新しい立ち回りが東京でチャンバラブームを起こした
(沢田正ニ郎は東京出身、早稲田大学の英文科から坪内逍遥の指揮する島村抱月と松井須磨子のコンビで有名な早稲田の文芸会に入る『復活』の再演では松井 須磨子の相手役を演じる。新劇の人だった彼が「親国劇」という劇団を作りコケて関西へ行き、大興行師・大谷竹次郎と出会う「剣劇」はそこ で創造されチャン バラブームが生まれる、映画でなく演劇が元祖なのだ)
一九二三年には坂東妻三郎というスターが誕生、彼を得た京都はチャンバラ映画王国となる。
講談の速記録?大衆向け読み物「新講談」?大衆小説へ
文化は関西から来ていた
関西は客が良かった。当時の大阪は日本最大の産業都市で娯楽を必要とする労働者が多くいた。当時の大阪は東京を凌駕し ていた。
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月形半平太
行友李風(ゆきともりふう)作の戯曲「月形半平太」の主人公。剣劇のヒーロー。長州藩士月形が勤王の大義のため身命をなげうつ。芸妓染八との恋あり立ち回 りありの大衆劇。舞妓梅松にいう「春雨じゃ、濡れていこう」が有名。新撰組のだまし討ちにあい、致命傷を負う。「死して護国の鬼となる」 の名セリフもあ る。市川歌右衛門主演で映画にもなりました。
ベストセラーの著者に牛乳業界が質問状 有害の根拠示せ(asahi.com) 太字オレ
2007年03月28日 12時36分ベストセラー「病気にならない生き方」(サンマーク出版)で、著者の新谷弘実氏が「牛乳を飲み過ぎると骨粗鬆症(こつそしょうしょう)にな る」などと書 いていることに対し、日本酪農乳業協会がつくる学識者の団体が、新谷氏に「科学的根拠を示してほしい」との質問状を出した。
28日付で質問状を出したのは、牛乳に関する知識普及のため、日本酪農乳業協会が栄養学などの専門家16人を組 織した「牛乳乳製品健康科学会議」(会長・折茂肇健康科学大学長)。
「病気にならない生き方」は、内視鏡外科医として日米両国で活動する新谷氏が、自らの臨床経験から導き出したと いう健康法を説いた本で、130万部を超 える。この中で新谷氏は「牛乳ほど消化の悪い食べものはない」「人間が食物とするにはふさわしくない」などと述べている。
同会議は「主張の科学的根拠に大きな疑問を持っている」と、牛乳・乳製品の摂取増加が閉経後の骨量減少を抑える という論文を挙げたり、 牛肉や卵より優れている牛乳のたんぱく質の消化率を引用したりと根拠を示しながら、8項目にわたり反論。新谷氏に主張の科学的根拠を示すよう求めている。 回答期限は4月末。
日本酪農乳業協会の消費動向調査によると、「牛乳を全く飲まない」人の割合は過去19年10%前後で推移してきたが、06年は 13・7%と急増。理由は調査中だが「この本も一つに考えられる」という。
ちがう。この戦法では対手の思うツボだ。
新谷弘実で検索すると、一位に出て来るのはド クター新谷(Dr.shinya)公式サイトだ。
良い水、正しい排泄、正しい呼吸法、適切な運動、休息、睡眠、幸福感、疑うべくも無いうつくしい言葉が円形に配置されている。
そして円の最上辺、もっとも目線の合いやすい画面中央部に「良い食事とサプリメント」。
なぜかサ プリメント。 このコトバだけが7つの円に配された中で異彩を放っている。
ここで「は?」と思うか「おお!」と思うかが分かれ目だ。
なんのって、その上にあるDrシンヤ 推奨商品販売サイトに視線が流れたときのキモチの。
(もちろん「おお!」と思う人を否定はしません。自由で す)
牛乳論争が沸騰すればするほど、彼の本や健康食品は人々の知るところとなります。
彼が"シニアエグゼクティヴ・ディレクター"を務めるヘルシーウェーブ社のサプリメントに注目が集まるわけです。
論争のまとでもなんでも、知ってもらえれば売るチャンスがあるわけです。
"紫黒米に秘められた脅威のパワー" とか、"納豆から生まれたなめらかパワー" とか、"選び抜かれた16種類の乳 酸菌が作り 出すハーモニー" とか。
字面を眺めているだけで充分健康になれそうです。
論戦はタダで宣伝してやるようなものです。
議論が沸騰するほど、世間の話題になればなるほど、新谷サイドにメリットがあり、牛乳サイドは痛手を負います。
痛手とは、本来 の仕事に割く べき時間をそちらに割かれるという事です。ましてその作業はとても不毛で、苦しいものです。
科学的な決着を見る事は決してありません。
なぜなら何事も断定せず、確定済みの現象さえ 疑い、常にメリットとデメリットを比較考量し続けるのが"科学的態度"というものだからです。
そして、この対手は"科学的態度"を持っていません。
2006/04/29掲載:自 然食はおいしい:牛乳有害説の根拠聞く 新谷さん「臨床データから得た」:MSN毎日インタラクティブ
(元記事 消滅に付き当ブログ内へのリンク)
◆ 日本の栄養学が一番の悪です。カロリー計算が中心で、米国から見ると30年遅れている。そんなものに基づいた食育なんかない方がいい。
仮に牛乳に害があったとしても、それと日本中の栄養士さんの仕事を秤にかけるのは「医師の本分」を外れています。
この人には、科学や医学の知識はあっても資質が無い。持っているのは自分を 高く売る資質。ありていに言えば 香具師、詐話師の才覚です。
誠に申し訳ないのですが仁木良哉さんのような真摯な学者さんをいくら揃えても話が噛み 合う余地が薄く、泥仕合の消耗戦しかありません。
なぜならば。
対手の戦術目標は有名になる事だからです。「牛乳有害論」はそのための手段に過ぎません。
健康の代名詞である「牛乳」に「害がある」というイ ンパクトで選んだだけです。
実際に牛乳に害があろうが無かろうが、対手にとってはどうでも良いのです。
ある程度有名になった段階で、
"私は「牛乳をなくせ」など、存在を否定することは言っていない。要は何ごともやり過ぎはよくないということだ。"
などとたかだかとした態度で言い放つことでしょう。
牛乳有害論争の要諦は洗脳戦 です。
洗脳戦において、科学論争は無益どころか有害ですらあります。
論争の激化・拡大・混乱 こそが対手の戦術目標だからです。
取るべき手段は黙殺。
牛乳の敵を制する武器は、やっ ぱ牛乳でしょ♪
さぁ、 牛乳に相談だ。
補足:
マジです。ギャグではありません。
逆に言えば、牛乳生産者が牛乳に相談しない限り、突破口は拓けません。
なぜならば。牛乳のコエの最善の聞き手は牛乳生産者を置いて他に無いからです。
分野は大違いですが、数年前のゲーム 脳騒ぎの中で、多くの会社が学者さんと共同でゲームが子供に与える影響を調べたりといった事に手を出しました。しかしそれがなんらかの効果があっ たという事例を自分は知りません。
その中で任天堂という会社は完全な沈黙を保ち、数年後に頭が良くなる『脳トレ』というゲームを出しました。一応ちょっとしたブームになっているよ うですが、自分はあれがゲーム脳に対する任天堂の解答だと思っています。しかし、非常に残念な事ながら、「ゲー ム脳」という単語は既に一般に定着し、今もゲーム脳の著者は意気軒昂です。
ゲームとは異なり、牛乳には仁木良哉さんのような「牛乳の理化学的性質の研究に50年近く携わってきた畜
産化学専攻、農学博士」が沢山いらっしゃるのが優位点です。ですからこの優位点を活かして科学論争に持ち込むというのは一見妥当です。畜
産化学・農学の歴史は脳科学よりおおいに古く信頼性も高いですしね。
しかしその一方、極めて一般的な存在であるために、商品としての価値や存在意義が把握しづらいところに隙があります。ゲームに比べれば生産者の人が「世
の中で求められている牛乳ってどんなものだろう?」と考えている時間は短いのではないでしょうか?本文中でおもわず「牛乳」を健康の代名詞と書きました
が、逆にそれ以上のコトバが出てきません。自分は「牛乳」を脳内で「健康の代名詞」とだけラベリングして、それ以上考えた経験が無いという事です。生産者
でない限りは、おそらく多くの人がそうでしょう。それだけに「害がある」という説のインパクトは巨大です。
重ね重ね仁木良哉さんには申し訳ないのですが、害があろうが無かろうが、対手にとっては大した問題ではないのです。アレはインパクトで常識にケタ グリをかけ、よろけた拍子に財布の紐をゆるませるというセールストークに過ぎません。
牛乳有害論が目立っている真の原因は、その新奇性、娯楽性です。
それを打ち消すには、人々のアタマからそれを消し去る新奇性、娯楽性が必要です。牛乳の場合は、味でしょうか?
できれば低温殺菌牛乳の低コスト化に取り組んで頂けると嬉しいんですけどね。ぜったい旨いアレわ。
いまあるよりも旨い牛乳、いまあるよりも鮮度の高い牛乳、「うお、なんじゃこら旨ぇ!!」と言わせる牛乳を人々の口に注ぎこまないかぎり、勝ちはありま
せん。
あいまいなXX有害論に対するもっとも有効な撃滅策はXXそれ自身です。
宮本茂も宮崎駿も
手塚治虫も夏目漱石も十返
舎一九も近松門左衛門もそしておそらくは観阿弥世阿弥も出雲阿国も、みんなみんな、最終的には自分の作品で無責任な無教養者どもを唸
らせ、そして黙らせたので
す。
関連エントリ
外部リンク
先に上のリンク先読んだほうがおもろいかもしれません。拾い読みで、特に『牛乳 有害説』は前半だけで充分。
自分は牛乳業界のヒトではないので、どちらが勝っても牛乳消費量は変わんないと思います。低温殺菌牛乳ってウマいよね。
◆◇◇
エ キナカに“牛乳バー” - 日経レストラン ONLINE - TOPICS(2007年5月8日)より
■ ア ンテナショップ「牛乳バー」
完璧スギル。店の大きさはガラスケース二個程度と小さいが、こういうのはヘンにリキまないほうが良いのだろう。それに、ロの3 の衛生管理ってなんだかプロっぽい。開店一ヶ月後の戦 果は以下の通り。
J-CAST ニュース : 池袋にお目見えした「牛乳バー」 人気は懐かしい「ビン入り」! (2007年5月31日)
なんといっても一番人 気は、ビン入りの牛乳だという。飲んだあとにビンを返さないといけないから、人通りの多い駅の通路で牛乳を飲んでいる人が目につく。一気飲みして立ち去る サラリーマンもいるし、ウマイウマイとうなずきながらゆっくり牛乳を味わう高齢の男性客もいた。
~中略~
ちなみにこ の牛乳 バーには、ビン入りフルーツ牛乳やコーヒー牛乳も置いてある。これらの商品にも根強いファンがいて、たとえば、「Yahoo! 知恵袋」で回答数247と白熱した「昔、大ヒットした飲み物で、今はもう無くなってしまった『懐かしい飲み物』は何?」という質問に対して、フルーツ牛乳 やコーヒー牛乳を挙げる回答者が見られた。
美しスギル。どんな肩書き付きがナニ言ったって、これにゃあ勝て ねぇ。
◇◆◇
■(社 )日本酪農乳業協会さ んの活動。
見事スギル。質問状って牛乳バーの前フリだったのね?そうなのね?
牛乳バーのオープンと質問状送付が近接していては「業界必死だな」で逆効果。直球ど真ん中の対抗洗脳戦。
■牛乳洗脳戦争のきょーくん
■時系列俯瞰
(社 )日本酪農乳業協会さん。 | ageha | はてブ | ||
2006 | 08 | E-36:牛乳 有害説 | - | |
2007 | 03 | 月末、牛乳有害論者に科学的根拠 を求める質問状 | E-36:検索で来る人が多いので参考リンク追記 E-223:やっ ぱ牛乳でしょ♪ |
- |
04 | - | - | 中旬、E-36登録 | |
- | E-36、 | - | ||
月末、上記回答期限 | - | - | ||
05 | 月頭、牛乳バー、 オープン | - | - | |
月末、牛乳バー、前掲記事 | - | - |
自分としても牛乳有害説はうさんくさいと思っているのだけれど、自分は牛乳ラバーでも牛乳業界のヒトでも牛乳で病気が悪化するヒトでもない。「わかりや
すいワルモノたたき」の片棒担ぎはゴメンだ。しかし、E-36からE-223へ飛ぶヒト
は僅かだったし、文脈を難解化したE-36には「台無しだな、ケッ」的なコメントがついた(削除済)。状報分析はなさけむよう。
これらの"視聴行動"から、はてブ・ホットエントリやリンクログ経由のアクセスは「わかりやすいワルモノたたき」を探している野次馬、いわば
「TVのシチョーシャ」なのではないかと考えるようになった。⇒Webザッピング
(社 )日本酪農乳業協会さんはハナからそれを見越していたように見える。
牛乳有害論は、所詮単発・一芸ネタのゲリラに過ぎない(だから有効な反論は来ない)。と見切った上で、相殺情報を、一定期間を置いて継続的に発し、他人
の脳内に有利な文脈を形成してしまう。順番とインターバルも重要なのだろう。情報を浴びる側は無自覚であればあるほど、Webザッパーであればあるほど、
それを自分の脳内文脈と思い込む。
リテラシーとかあんま関係ないよなコレ。情報戦というより情緒操作戦、洗脳戦だ。見事。
別に洗脳なんてコトバを使わなくても良いのですが、どっちがイイモンでどっちがワルモンだという種類の問題ではない事を忘れたく無いので。勝った 方が"一定期間のジョーシキ*1"に収まるだけです。
◇◇◆
スリー・ア・デイを対 抗洗脳と呼ぶのは、牛乳さえ呑んどきゃ健康になれるってわけでも、牛乳さえやめれば健康になれるってわけでも無いからです。食生活は結局のところバラン ス。当たり前過ぎてつまらねー話ですが、よ のなかみんなが一発でしあわせになるカンタンな方法があるわけでは、無い。どうゆうバランスがいいのさってのはアレっす。栄養士さんに教えて貰うとか厚生 省の食品成分表とか買って来て一日30品目を守るとか婆ちゃんの献立を思い出すとか、うんぬんかんぬん…たぶん王道は無い。メンドイ。
※ここで分岐。メインは左へ余談は右へ。
メイン | 余談:あたらしい日本食のはなし |
もちろんスリー・ア・デイががばがば牛乳飲めやって言って るわけではないんだけど、牛 乳を受け付けない体質のヒトもあれば、医者に止められているヒトもある。もしも牛乳のヒトたちが商売や宣伝の中で、「そのバランス組みの中に乳製品もくわ えて下さいね」という範(のり)をこえたり、自 分の業界を等身大より大きく見せようとしたり、かつてよりナニカが落ちているのに気付かずにぽややんとしているような事があれば、牛乳有害論は何度でも蘇 るであろ~あろ~あろ~(エコー)。 コレ牛乳だけでなくて、ゲーム脳とゲーム業界と ゲーマーの話コミねコミ。ネコミミ。とはいえ、もちろんコアの部分に『処事公明』を抱えてないもんは噺にならんです。ん~なんて言うんだろう。死んだ後で胸張って爺ちゃ んに自慢できる土産話になるかどうか。みたいな? 牛乳サイドにおける『処事公明』は、北海道大名誉教授(畜産化学専攻、農学博士)の仁木良哉さんががっつりキープされています。 毎日の山田寿彦記者については、優れたコトバ使いだと思っています。ついでに言うと彼は、高校の教科書を書き換えた化石ねつ造事件を スクープした毎日のエースでもあるようです。自分はあの取材、結果が出てなきゃタダの盗撮ストーカーだと思った事を覚えてます。つまり、誤爆も多いが功績 も多い、執念とオレがオレがタイプのヒトではないかと。 で、そういうヒトに全面的に黒子役(構成)に徹した記事を書かせてしまうほど、仁木良哉さんのコトバには真正の迫力があったのであろ うと、感じるわけです。きっとそーに違いない。 おそらく、自分が仁木良哉さんという学者さんのファンになったのは、彼の手紙を記事化した山田寿彦さんの構成力も影響しています。優 れたコトバ使いなら、構成や配分にも気を配るはず。 洗脳洗脳うるさいと思いますが、これは自分が自分のヒフの外側から来る情報を全て「洗脳」「プロパガンダ」または「デマゴーグ」と見 なしているためです*2、ふつうの意味でそう呼ぶべきなのは、牛乳サイドが「牛乳有害論の相殺」を超えてから、という事になると思 います。 で?相殺を超えたかどうかはどうやって計測すんのだ? |
結局「そういう手間はぶきてーなー」とみんな思ってるから牛乳有害論がハバ聞かせたり、なんかのサプリメントが流行ったり、納豆騒動がおきたりすんので しょう。「そういう手間はぶきてーなー」がどこから来てんのか考えるに、普段喰ってるもんに不安なヒトが多いと考えるのが、妥当だと思うます。自分も地味 にどうかなと思う。 それはもちろんオレのせいなんですが、どうすりゃいいのかわからんし、わかるのもメンドイ。そうゆうヒトが結構あるのではないかと。 で、これ自体は実は極めて自然な状態です。 日本人の食生活は戦後、特に1960年代を境に激変してます。なんだかんだ言ってイタリア人って普段ぜってーパスタだし、印度人て普 段ぜってーカレーだし。アメリカ人はほっとくにしても、ここまで伝統的な食生活が崩壊した例というのは、世界にあんま無いらしいっす。 とりあえず伝統食というのは、そこそこのバランスが取れるものです。「一汁三菜(でいいのかな?)」のフォーマットが体に叩き込んであれば、そ してそれしか選択肢が無ければ、30品目なぞいちいち数えなくてもあるもんで適当に組み替えるしかないです。「またこれですか」とぶちぶちいいつつ もエイヨーバランスはソコソコ。 日本の場合はソコが崩れてます。しかも「婆ちゃんの献立」レベルで。"わからん"のも"メンドイ"のも自然だというの はココ。 選択肢の幅が短期間に、急激に、増え過ぎた。ニンゲンが使いこなせる許容値を、たぶん超えてる。 「だからこそ伝統食回帰!スロフードマンセー!」てのはど阿呆です。今手に入る選択肢や可能性を 捨てろというのは実効性を持ちません。 母親がちゃんと家で料理をってな古典的な倫理観もど阿呆です。崩壊は婆ちゃんの献立レベルから始 まってます。ダレが悪いわけでもないです。 伝統食は、与えられた条件下で群れの個体数を最大化するという命題の下で、徹底的に合理化・省力化を追求した結果に過ぎません。古典 的な倫理はそのビルトイン・スタビライザーに過ぎません。 必要なのは、フォーマット。とにかくパスタ、とにかくカレー、なにはなくとも一汁三菜!という固定フォーマットが 無いから、考えるのがメンドイ。 一日30品目とか食品成分表から考える積み上げ方式は、たぶん正しいんだけど、メンドイ。ニンゲンが毎日扱える範囲を、 たぶん超えてる。 なんかこう、現状の凄まじく多種多様な食材、和・洋・中・他、をモジュール化して組み込めて、その上で、そこそ このバランスになるフォーマット。が、あったほうが楽ですきっと。 そういうのは基本的には歴史の中で出来上がっていくものなので、ダレが作ってもぶちぶち言われんでしょうけど、地味に成立を加速する 事は、期待できます。学校給食ってスゲェパワー発揮すっとおもうんだけど。ガキどもを「ごぱん」しか喰えないカラダに改造してしまうのじゃ。 食文化の破壊?ばかいっちゃいけない。変化するからこそ活きているのじゃッ。大根だって人参だって最初はタベモノぢゃなかったのだ ぜ。 だからっててきとーに30品目ミキサーに掛けて呑むこともないとは思わないでもない、、、うん。敗因はゴハンだな。 |
【脚注】
*1)「科学的事実は正しい」みたいな数百年にわたって社会全体で通用するものから、「ゲームをやると脳が病む」みたいに期間も通用範囲も限定的な ものまでいろいろ。
*2)もちろん自分の書くものも他人様にとっちゃそのはずです。むしろソレ以外の取り方されると困惑します。エンコに関係ない記事は特に。
【参考】